今から100年後の世の中が一体どうなっているか、と考えたことはあるだろうか。残念ながらほぼ間違いなく自分の目で確認することができないほど遠い未来のことを予測するのは難しいが、それだけに自由な想像力を発揮することもできる。中国メディア・今日頭条は25日「約100年前の日本人は、2020年の日本をどう予測していただろうか」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:写真AC)

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 今から100年後の世の中が一体どうなっているか、と考えたことはあるだろうか。残念ながらほぼ間違いなく自分の目で確認することができないほど遠い未来のことを予測するのは難しいが、それだけに自由な想像力を発揮することもできる。中国メディア・今日頭条は25日「約100年前の日本人は、2020年の日本をどう予測していただろうか」とする記事を掲載した。

 記事は、大正中期の1920年に日本で「100年後の日本」と題した作文募集が行われたとしたうえで、当時の日本人が知恵と想像力を振りしぼって考えだした100年後、すなわち2020年の生活について紹介している。

 最初に挙げたのは「空に浮かぶ肺結核病院」。このアイデアについて記事は「1920年代において日本人にとって肺結核は遠く隔離すべきものだった。こうすれば患者と非患者を完全に分けることができる、というものだが、果たして医師や看護師が地上を離れたがるだろうか」と説明している。100年後には結核がもはや不治の病ではない、という状況はさすがに想像できなかっただろうか。それほど当時の日本人にとっては絶望的な病だったということだろう。

 次に紹介したのは「100年後には四民が徹底的に平等となり、爵位も廃される」というものだ。これについては「20年あまり後に米国によって日本が徹底的に改造された際、ほぼ現実のものとなった」と解説した。また「100年後には出生率が低下する」という実に先見性に富んだ意見もあったことを伝えた。

 このほか「日本は大規模な軍縮を行い、国の富は大きく増える」、「女性の学者や女性の発明家が顕著に増加し、男性を圧倒する」、「死刑が廃止され、土地が公有制になる」、「東京から下関に至るまで、空中電車が作られる」といった内容を紹介。「的中していないものもあれば、的中しているものもある。未来を言い当てた人には、仙人めいたものを感じる」としている。

 記事が紹介した100年後の予想からは、当時の世相や市民の想像力を垣間見ることができるが、同時に大正中期の自由闊達な雰囲気を感じ取ることもできる。四民平等の徹底、女性の進出といった意見は社会が進歩しつつあったことの表れではないだろうか。出生率の低下も決してネガティブなものではなく、社会が豊かになることに伴うポジティブなものだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:写真AC)