全国を駆け巡った「松浦亜弥、顎関節症でコンサート中止」という報道――。事務所の先輩である森高千里も過去にこの病を患い、何と1年半も芸能活動を控えたという。いったいどんな病気なのか?

 顎関節症の治療を行う「バイオクリニック東京」の上西雅一院長によると、「下あごのズレが原因で発症するもの」らしい。下あごがズレることによって、下あごの一番上の突起(下顎頭)が顎関節のくぼみに突き刺さり、「口を開けると音が鳴る」「痛くて口が開けられない」といった症状を引き起こすのだ。そして、これは「歌手」だけに限ったものではなく、私たち現代人なら誰もがかかりうる病気だという。

 「食べる物が柔らかくなって噛む回数が減っていることや、交通機関の発達から来る運動不足で奥歯の伸びが短くなってきていることから、現代人は下あごがズレやすくなったと言えます。むしろ、ほとんどの人が顎関節症を患っているといっても過言ではありません。あごの動きが悪いくらいで気にする人は少ないので、自覚していない方もたくさんいると思いますよ」(バイオクリニック東京 上西雅一院長)

 この顎関節症という病気、実は口の開閉が困難なだけでは済まない。やがて頭痛や腰痛、首の痛みへと発展し、酷くなるとアレルギー性鼻炎や花粉症、ぜん息などのアレルギー疾患、挙句の果てには不眠症になるなどメンタル面にまで支障をきたす、末恐ろしい病気なのだ。5年ほど前から顎関節症を患っている女性はこう証言する。

 「最初はあくびをする時にちょっとした痛みを感じる程度だったんですよ。それが段々とするどい痛みに変わっていって・・・同時に色んな症状も併発していきました。一番酷かった時は、首の痛みと手足の冷えで眠れなかったほどです」(26才 女性)

 実はこの病気、小柄で華奢な人、特に女性のほうが男性よりも発症する可能性が高く、昔は「美人の病気」として称されていたほどだ。また、年を取ると必然的に奥歯が短くなってくるため、年老いてから発症するケースも多いという。

 では、顎関節症の治療はどのように行われるのだろうか。上田院長によると「バイオプレート」という特殊なプレートを用いる治療法があるという。見た目は厚めのマウスピースのようなもので、その厚さが奥歯の高さを補い、下顎頭と顎関節のくぼみの間に正常なスペースを作る仕組みになっている。これを就寝時に装着するだけで、ほとんどの患者さんが完治にいたるのだとか。

 最近何だか体調が優れないそこのアナタ、もしかしたら原因は「下あごのズレ」なのかもしれませんよ・・・? (安田明洋/verb)

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