今シーズンから、J3が新設される。個人的にも非常に期待している。J3に参加する各地方都市が盛り上がれば、発足当時にJリーグが掲げていた百年構想の理念に近づくし、サッカー文化の裾のが広がるという点で活性を促したいね。もう一方で、U─22選抜を送り込むことで、若年層の強化の場にも使われる。長期的に考えれば大いに期待できるよ。
 
 ただし、こうした試み自体は賛成したいが、その中身がいったいどれほどのものかというのは正直まだ分からない。どういう実態のチームが参加して、それがチームとしてしっかり運営できる状態なのか否か。リオ五輪世代のボトムアップに本当にふさわしい場なのか否か。冠スポンサーがついてJリーグにはお金が入ったけど、各チームにしっかり還元されるのかどうか。最初だけ盛り上がって尻切れトンボにならないよう、その辺りは継続的に注視していかなければならねいね。
 
 今回のU─22選抜の参入を見て、個人的にはJ2にも若手強化を促す仕組みがあっていいと思う。例えば、22歳以下の選手を4、5人必ず出場させる。そこで活躍した選手がJ1にステップアップしていく、というパターンもいいだろう。まあ今は、J1とJ2の差がほとんどないようにも思えるけどね。

 また、J3に関しては、地元の高校生なり大学生を特別枠で出場させることができるようにする、というのはどうだろうか。お金のないクラブにとっては効率的な実戦力として計算できるかもしれないし、彼ら自身のレベルアップにもつながる。なにより、地元出身の選手たちに対する思いがクラブに対するアイデンティティを生み、各町にサッカー文化がより根付く礎となるのではないか。

 思い浮かぶアイデアはいろいろある。J3はまだスタート地点に立ったに過ぎない。いろいろな試行錯誤、様々なアイデアの効果検証を重ねて、名ばかりでなく実のある下部リーグになってほしいね。