こうして見知らぬ他人から「素敵な彼氏ですね」「かわいい彼女ですね」などとお世辞のひとつでももらえれば、二人の中の疑似恋愛感覚はますます高まるはず、という計算である。

要するに「恋の3日間条約」の狙いとは、そういった疑似恋愛の意識を少しずつ高めていき、いつのまにかそれを本当の恋に発展させるということなのだ。

ドラマで恋人同士を演じた男女の役者がそのまま本当のカップルになってしまうという、ありがちな現象と一緒だ。

かつて某バラエティ番組の大ヒット企画で『未来日記』なるものがあったが、あれも「疑似恋愛の本格化」を意識的に仕掛けたものだろう。

「念ずれば花開く」という言葉を借りれば、恋愛・婚活においては「演ずれば花開く」なのである。

かくして、Bさんは「恋の3日間条約」最終日に大勝負を仕掛けた。

時計の針が刻一刻と深夜12時に迫っているころ、つまり条約解消の瞬間が近づいている中、Bさんは彼女に対してこう切り出したという。

「恋の3日間条約、無期限延長できますけど、どうしますか?」もし延長OKなら見事カップル成立。

NOなら約束通り条約解消、つまり元の友達同士に戻ってしまう。

果たして、彼女の答えはいかに?そして現在。

Bさんは先述した通り、件の彼女と幸せな結婚生活を送っている。