MiChi(撮影:野原誠治)
 インディーズ時代にiTunesダンスランキング1・2・3位独占、アルバム総合ランキング1位、年間アルバムランキング19位などクラブシーンで話題を集め、昨年10月に発売したメジャー・デビューシングル「PROMiSE」が配信で70万ダウンロードを記録したMiChi。9月30日に発売したファーストフルアルバム「UP TO YOU」は、9月29日付のオリコン・デイリーランキング初登場5位を記録。デビュー前から約1年ぶりに会った彼女は、確かな成長の跡を見せていた。

――ちょうど1年程前、デビューシングル「PROMiSE」の発売前にお話を伺って以来となりますが、その時と比べると落ち着かれましたね。

MiChi:(笑)。見ただけで、もう分かります?

――正直、第一印象は典型的な帰国子女でした。

MiChi:へぇー!でも、あの時はもう日本に来て4年ぐらい経ってたんですけどね(笑)。

――デビューからのこの1年、忙しく活躍されていた印象を受けていますが、ご本人としてはデビュー当時と比べて変わってきたなと実感することはありますか?

MiChi:なかなか感じなかったんですよ。「何か変わった?」って聞かれても、「いや、全然変わってない」とか言ってたんだけど。実際に考えてみると、もちろんスケジュール的なことはもう全然違うし、「そういえば友達とかに全然会ってないなぁー」みたいなこととか。デビュー前には普通に道を歩いていて自分の曲を聴いたり、雑誌やテレビで自分を見たりすることは無かったから、そこはガラリと変わったのもあるし。あとは、やっぱり気持ち的にもっとちゃんとしなきゃなって、プロ意識が初めの頃よりはちょっと高まったかな?と思ってますね(笑)。

――音楽の好みがより具体的になったり、もっと興味が広がってきたとかは?

MiChi:初めから結構ハッキリしてたんですよ。だから逆に、自分がやりたい音楽もそうだし、もっと色んなものを聴いてみようという幅は増えたかもしれないですね。

――インディーズ時代やデビュー時の音はクラブ系でデジタルな印象を抱いていたんですけど、9月に発売された4枚目のシングル「YOU」や、今回のアルバムだと7曲目の「RaiN」や8曲目の「Oh Oh…」では土臭いアコースティクギターやアナログな質感が新たな一面として表れていて。これは今までに聴いてきたMiChiさんのルーツにあるサウンドの一つなのかなと。

MiChi:実際に17歳ぐらいの時に友達と一緒にアコースティック調をやってたりしたから、元々すごく好きなんですよね。もちろんエレクトロだったり、打ち込み系もカッコイイと思っているから、「別に、両方やってもいいじゃん!」という感じで。自分もジャンル関係無く色んなものを聴いてきたから、多分それが今回のアルバムに影響してるんだなと思いました。

――以前にピアノをやられていた時期もあったと聞きましたが、今回、作詞・作曲・プロデュースを担当している「Oh Oh…」は、ギターで作られたんですか?

MiChi:まずギターでコードを弾いてから、パソコンでドラムとかビートを入れてという感じで。

――ギターは、いつ頃からやられてるんですか?

MiChi:ギターはねぇ、「やってる」とも言えないぐらい弾けないんですけど(笑)。友達からギターを買ってイギリスから持ってきたから、もう5年前ぐらいから持ってるんだけど、全然放ったらかしで。最近、曲を作ろうと思ってチョコチョコと。

――他にもストック曲はあるんですか?

MiChi:無いんです(笑)。アルバムのために作ろうと思って、集中してこれだけ作って終わり、みたいな。でも、また作り始めてますよ。

――アコースティックギターのサウンドが続いたかと思えば、9曲目の「Something Missing」や10曲目の「One of a Kind」ではディストーションギターの疾走感のあるロックナンバーでクールな表情を見せていて、ありきたりな表現になってしまうんですけど“バラエティに飛んだ”アルバムだなと。

MiChi:でも、本当にその通りですね。