[7.26 アカデミーマッチ第2戦 U-15 J選抜 1-1(PK3-1) リバプールU15 味フィ西]

 勝利することはできなかったが、会場に詰めかけた日本のサッカー少年・少女に世界基準を示すサッカーを展開した。リバプールU15を指揮したトーマス・クレイトン氏が「Jリーグインターナショナルシリーズ2026 アカデミーマッチ」終了後に取材に応じ、「選手にとって素晴らしい経験になったと思う」と日本遠征を総括した。

 U-15 Jリーグ選抜が戦うアカデミーマッチは3年目を迎え、2年連続でリバプールU15が来日。初戦は1-0で、2戦目は1-1で突入したPK戦を3-1でいずれもU-15 Jリーグ選抜が制した。

 それでも今回のリバプールU15は過去3年間で最も組織的でレベルの高いチームだと感じさせた。キャプテンマークを巻くDFルーベン・ジョンソンが抜群の守備能力でU-15 Jリーグ選抜の攻撃をことごとく対応。前から来るプレスに対してはパスやドリブルで掻い潜っていき、中盤を経由してFWジェイソン・ウィリアムとFWタイ・ヒーリーの両ウイングが攻め込む迫力ある攻撃を仕掛けていった。

 指揮官は両ウイングへの高評価に同意しつつ、「ウイングだけではなくピッチ全体で良かった。我々はすべての年代で良い選手を揃えている」と胸を張る。その上で決定機を逃す回数が多かったことに触れながら、「両試合ともどちらのチームにも転びうるものだった。残念ながら2試合とも悪い方にいってしまったが、PK戦を経験したことも含めて素晴らしい経験になった」と振り返った。

 今回のチームを率いたクレイトン氏は、7歳から21歳までリバプールの育成組織に所属し、リバプールU18とU21時代はキャプテンを担当。長身のセンターバックやボランチとしてスコットランドの世代別代表にも入っていたが、怪我もあって早くに引退し、昨夏にU16のアシスタントコーチとして古巣に戻った。

 リバプールをよく知るクレイトン氏は「我々はクラブとして、監督に関係なく貫くアカデミーの原則を持っているんだ」と強調し、「素早く前進する攻撃的なサッカーだ。それを目指している。素早く前進する攻撃的なサッカーは効果的だからね」と説明。実際にアカデミーマッチでもそうしたサッカーを展開して会場を沸かせた。

 U-15 Jリーグ選抜の城和憲監督は「リバプールは本当に熟成されたチームコンセプトを持ちながらトライしてきた」と振り返る。相手に1学年上の選手が複数いたとはいえ、「それ以上にすごくパワーがある。奪いにくる迫力やゴールに迫る瞬間は僕らも怖いなという部分があった。選手も『早いです』とか『体強いです』とかを思っていた」。PK戦を含めて2勝を収めた一方、個の争いでは差があったことを示した。

 U-15 Jリーグ選抜はそうしたチームに対し、先制を許した第2戦では前からのプレスから中盤にブロックを敷く形に変えるなど修正も行って追いつくことに成功。城監督は「柔軟的に対応できるのも日本の良さ」とする戦い方でPK戦勝利を果たした選手を称えながら、「ここで感じたものを日常でもっと高めてもらいたい。ここからの選手の成長に期待したい」とさらなるレベルアップを期待した。

 もっともリバプールU15のクレイトン監督は「とても組織的な戦いで我々を苦しめた。技術のある非常に良い選手が何人かいたし、他の選手も違った特長があった。ピッチには両チームとも素晴らしい選手が揃っていたと思う」とU-15 Jリーグ選抜を評価。日本文化に触れられる点やアウェーとして戦う経験などのメリットも列挙しながら「絶対にまた来ると思うよ」と日本遠征の継続に前向きな考えを述べ、会場を後にした。

(取材・文 加藤直岐)