「年収1億円で家賃21万円」は堅実か、ズレているのか…婚活リアリティーショーで起きた“金銭感覚論争”に家賃4万円の漫画家が独自見解
ABEMAの婚活リアリティーショー『時計じかけのマリッジ』をめぐり、ある男性出演者の「住まい」がSNS上で議論を呼んでいる。話題の中心にいるのは、「日本育ちの東大卒エリートで、20代にして年収1億円という高収入男性」として番組に出演したチェン。
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婚活相手の女性と向き合うなかで、彼の自宅を訪れる場面が放送され、振り返り企画での婚活アドバイザーとのやりとりでも、住まいをめぐる価値観が改めて焦点となった。
年収1億円男性の「家賃21万円」に婚活アドバイザーが違和感
『時計じかけのマリッジ』は、婚活初心者の女性たちが、限られた期間のなかで結婚相手を探していくリアリティーショー。出演者たちはデートや同棲生活を通じて相性を見極め、結婚というゴールに向けて選択を重ねていく。
恋愛感情だけでなく、生活感、金銭感覚、将来設計までがあらわになる構成で、視聴者にとっても「自分ならどう考えるか」を突きつけられる番組だ。
今回、注目されたのは、チェンが都内で家賃21万円の部屋に住んでいるという点だった。一般的な感覚では決して安い家賃ではない。しかし、年収1億円というプロフィールと並べられると、視聴者の受け止め方は大きく分かれた。
振り返り企画では、結婚相談所「マリーミー」代表で婚活アドバイザーの植草美幸氏がチェンと対面。高学歴、高収入という条件を評価しながらも、家賃21万円の住まいについて、収入とのバランスや婚活で相手に与える印象に疑問を投げかけた。
植草氏は、年収1億円という情報から女性側が想像する生活イメージと、実際の住まいとの間にギャップがあるのではないかと指摘。チェンはこれに対し、物欲や見栄がないことを理由に、自分の選択は合理的だという姿勢を崩さなかった。
このやりとりは、単なる「家賃が高いか安いか」の問題ではない。
むしろ、結婚において何を“安心材料”と見るのか、収入に見合った暮らしを求めることは当然なのか、それとも浪費をしない堅実さこそ評価されるべきなのかという、現代的な価値観の対立を浮かび上がらせた。
SNSでは、チェンを擁護する声が相次いだ。
「年収が高いからといって、家賃まで高くする必要はない」
「固定費を抑えているのは堅実。結婚相手としてはむしろ安心できる」
「見栄にお金を使わない人のほうが信用できる」
「稼いでいる人ほど派手に暮らすべき、という考え方が古い」
こうした意見の背景には、近年の資産形成や節約志向の高まりがある。高収入であっても生活水準をむやみに上げない。住居費を抑え、必要なものだけにお金を使う。その姿勢は、浪費家ではないことの証明として好意的に受け止められた。
特に、結婚生活を現実的に考える層からは、派手なタワーマンションや高級家具よりも、金銭感覚の堅実さを重視する声が目立つ。
一方で、植草氏の指摘に理解を示す声も少なくない。
「婚活では、スペックだけでなく“一緒に暮らすイメージ”を持てるかが大事」
「年収1億円と聞いた相手が想像する暮らしとのギャップは無視できない」
「合理性は大切だけど、相手の期待や違和感に向き合う柔らかさも必要」
「問題は家賃ではなく、指摘されたときに価値観をすり合わせようとしない姿勢では」
こちらの立場から見れば、植草氏の言葉は「高い家に住め」という単純な助言ではない。婚活の場では、相手にどのような生活を想像させるかも重要になる。収入、住まい、会話、振る舞いに一貫性があるか。
相手が抱いた違和感に対して、自分の考えを説明し、必要なら歩み寄れるか。そうした“結婚後のコミュニケーション能力”こそが問われている、という見方だ。
高収入・高学歴だけでは測れない、婚活で問われる“すり合わせ力”
実際、チェンのように高収入で合理的な男性は、条件面だけを見れば婚活市場で強い存在に映る。しかし結婚は、条件の照合だけで成立するものではない。どれほど収入が高くても、相手が「この人と生活したらどうなるのか」と想像できなければ、不安は残る。
逆に、家賃21万円という選択そのものは堅実でも、それを「自分はこういう価値観だから」と一方的に説明するだけでは、相手に納得感を与えにくい。
今回の論争が広がったのは、そこに多くの人が自分自身の結婚観やお金の価値観を重ねたからだろう。
かつては「高収入男性」と聞けば、高級住宅、外車、ブランド品といったわかりやすい豊かさが想像されやすかった。しかし、今は必ずしもそうではない。稼いでいても生活はミニマルにしたい人、将来のために支出を抑えたい人、他人に豊かさを見せることに興味がない人もいる。そうした価値観は、もはや珍しいものではない。
ただし、婚活という場では「自分にとって合理的か」だけではなく、「相手にどう伝わるか」も避けて通れない。高収入なのに家賃を抑えることは、ある人には堅実に映る。別の人には、生活へのこだわりや相手を迎える準備が足りないように映る。その受け止め方の違いをどう埋めるかが、結婚相手を選ぶうえでの本質的な課題なのだ。
「年収1億円で家賃21万円」は、ぜいたくか、倹約か。それとも、婚活の場では説明不足だったのか。
答えは一つではない。だが今回の一件が示したのは、結婚における“条件のよさ”は、収入や学歴だけでは完結しないということだ。
こうしたやりとりに漫画『独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記』の著者・中川学さんは独自の見解を述べる。
「家賃4万円の自分からすると、家賃21万円は超高級マンションです(笑) 。年収1億円だとどれくらいのグレードの部屋がふさわしいのか…家賃250万円、サウナ、グランドピアノ付きみたいな感じですかね…発想が貧困ですみません。
相手との価値観のすり合わせって難しく、永遠のテーマと言えます。チェンさんの「倹約家気質」はなかなか変えられるものではないと思うから、彼の場合はすり合わせる努力よりも、同じような気質、考え方の人を探すのが、結婚への近道なのかもしれません。
でも彼はまだ若いから、案外大好きな子できたら自分の価値観なんてかなぐり捨ててその子にアタックしたりするのではないでしょうか」
相手の期待を理解し、自分の価値観を伝え、違いをすり合わせる。その柔軟さがなければ、どれほど魅力的な条件も、時にすれ違いの原因になってしまう。
取材・文/集英社オンライン編集部
「独りで死ぬのはイヤだ 年収200万円、48歳独身漫画家の婚活記」
中川学

2026/2/26
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