岸田首相

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衆院解散・総選挙は見送り

 6月6日、北海道新聞は「岸田文雄首相(自民党総裁)は、秋の党総裁選での再選をにらみ、今夏に内閣改造・党役員人事を行う方向で検討に入った」と報じた。支持率が低迷する首相が人事で局面の打開を狙うことは珍しくない。が、これに対して「そもそも内閣改造をしないのではないか」「いやいや、できないのではないか。遅かれ早かれ不出馬表明をするだろう」などといった指摘も聞こえてくるのだ。

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 もともと岸田首相は今年9月の自民党総裁選での再選を確実にするため、その前に衆院解散・総選挙を行って勝利することを思い描いてきた。が、低迷が続く内閣支持率が改善しないことなどから解散を見送ることにしたとされる。

岸田首相

 記事には、内閣改造・党役員人事を断行する狙いとして、「官邸内には、知名度の高い有力議員や解散を決めた派閥の実力者など幅広い人材を起用すれば、総裁再選に向けた党内基盤を強化できるとの声もあり、首相は慎重に検討するとみられる」ともあった。

総主流派体制

「もちろん可能性はあると思います、というか生き残るにはそれしかないのではないかと。内閣支持率を上げると同時に与党内から岸田政権の継続に理解を得ないとなりませんからね。“首相にしたい人”アンケートをするといつもトップの石破元幹事長を取り込んで支持率上昇と石破氏自身の出馬を封じる“一石二鳥”の作戦がまことしやかに出回っていますが、国民に見透かされるのではないでしょうか」

 と、道新ではない社の政治部デスク。

「もちろん人事を断行できない可能性も当然あります。首相は派閥解消や政治資金規正法改正案などで与党内への根回しが不足していると指摘されており、幅広く反感を買っています。そう簡単に与党内の各方面から了承を取り付けられるのか疑問が残りますね」(同)

 ほぼ根回しなしに仕事を進めることで、岸田首相は自身がリーダーシップを発揮しているさまをアピールしたかったのだろうが、党内の目は冷ややかなようだ。

旧岸田派だけが最も結束が固い

「皮肉な話かもしれませんが、なくなってしまった派閥の中で旧岸田派だけが最も結束が固いとされています。まぁそれでも40人程度で、これに加えて首相とは距離が広がってしまったとされる麻生太郎副総裁の支持を何とか取り付けたとしても合わせて100人弱。最大勢力を誇った安倍派は草刈り場になる可能性が高く、そう多くの支持は望めない。自民党全体が首相を支援するムードを作っていかない限り、総裁再選は限りなく難しいとみられています」(同)

 鈍感力に磨きがかかっているなどと評される岸田首相だが、さすがに再選が不可能な情勢になれば不出馬を表明するとされる。

「“再選が無理なら出ない”という点はこれまでと変わらないようです。後継と目される候補らは“とにかく早く諦めてほしい”と願っているのは間違いありませんが(笑)、なかなかギリギリまであがくような印象がありますね」(同)

 総裁選への不出馬を表明するなら総裁選1ヶ月ほど前の8月半ば頃ではないかともみられ、早くも政治部記者らからは「盆休みはなしだな……」との声が漏れているという。

デイリー新潮編集部