「コンプラ違反で話題」阿部サダヲ『不適切にもほどがある!』ヒットも手放しで喜べない「事務所事情」

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俳優・阿部サダヲ主演の連続ドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)が話題だ――。

同ドラマは’86年に生きる阿部演じる主人公の教師が、現代にタイムスリップする物語。昭和世代の人ならおわかりだろうが、当時はコンプライアンスという言葉はなく、各種ハラスメントも現代では考えられないほど横行していた。

第1話ではいきなり阿部が女性に

「初体験は?」

と聞くセクハラ発言や、生徒の尻をバットで叩く体罰シーンが登場。

「ブスのくせに」
「女の腐ったような」
「男顔負け!」

と罵倒し、ところかまわずタバコを取り出し一服する場面もある。

さすがにそのまま放送するのはまずかったようで、本編では

《この作品には、不適切な台詞や喫煙シーンが含まれています》

《時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み、1986年当時の表現を敢えて使用しています》

というテロップが毎回必ず挟まれる。

早くも「問題作」扱いされている同ドラマの脚本は宮藤官九郎。スポーツ紙芸能担当記者は

「クドカンはコンプライアンス遵守の流れを理解しつつも、表現の幅が狭められている現状に危機感を抱いていました。今回のドラマはまさにコンプラ社会を逆手にとった痛快作。クドカン流のアンチテーゼでしょう」

と推察する。

興味深いのは、視聴層で特に高いのがFT(13〜19歳女性)とM3(50歳以上の男性)という点。イマドキ女子と昭和生まれの父親がテレビの前で、ジェネレーションギャップを噛みしめながら、

「ああでもない、こうでもない」

と語り合う姿が容易に想像できる。

「この辺りの読みもさすがクドカン。ネットニュースでもバズっており、今後さらに話題となることは間違いないでしょう」(同・スポーツ紙記者)

クドカンと主演の阿部は同じ「大人計画」の所属。あ・うんの呼吸なのもうなずけるが、同事務所は昨年末から激動だったという。

大人計画所属の俳優・村杉蝉之介(本名・村杉友一)が昨年12月11日に麻薬特例法違反容疑で逮捕されたためだ。

逮捕容疑は一昨年11月上旬から今年1月中旬ごろまでに、違法薬物を複数回にわたって譲り受けた疑い。密売人とはインターネットで知り合い、違法薬物はレターパックで受け取ったとみられる。

これを受け、大人計画は公式サイトで謝罪コメントを発表。劇団を主宰する松尾スズキのイベントも中止となった。

村杉はその後、自宅で大麻リキッド約0.5グラムを所持した疑いで、福島県警に再逮捕されている。

「蝉之介さんは知名度こそイマイチですが、数多くのドラマに脇役として起用されています。仕事の数で言えば、阿部サダヲさんをはるかに上回ります。逮捕時には進行中の仕事もあったため、大人計画の長坂まき子社長が中心となって関係各所に謝罪の連絡をいれていました。

年明けに同社長を目撃したときは、蝉之介さんの件でよほど疲弊したのか、それまでふっくらしていた彼女がビックリするくらい激ヤセしていました。お気の毒に……としか言いようがありません」(芸能プロ関係者)

大人計画のホームページには今も「村杉蝉之介」の名前が残っている。関係者いわく

「クビにすることは簡単だが、そうはしないようだ」

という。ドラマのヒットは同事務所に届いた久しぶりの吉報になったようだ。