走りに問題ない範囲でロングライフ化が進んでいる!

 クルマの技術というのは、日進月歩。恐ろしい勢いで進化しているのはご存じのとおりで、クルマの作りそのものだけでなく、メンテナンスでもその恩恵はいろいろとある。そのいい例が、メンテナンスフリー化で、消耗品が今や消耗品でなくなっていたりするが、今回はまだ交換や点検は必要なものの、交換時期などで今までの常識が通じなくなっているものを紹介しよう。

1)エンジンオイル

 ちょっと前までは5000kmもしくは半年ごと。その前は3000kmもしくは3カ月ごとという時代もあった。一方、今やメーカーの指定は1万5000kmもしくは1年ごとが多い。オイルの性能、エンジンの素材や精度などが昔よりも格段によくなっているので、実際のところでも1万km/1年毎に交換していれば問題ない。

 またオイルフィルターもオイル交換2回に1回が常識だったが、オイルのロングライフ化に合わせて、逆に毎回交換になっている。

 輸入車では3万kmごとといった超ロングライフ化が進むが、そもそも量が多いし、減ったら継ぎ足すのも前提としているので、単純に日本車と比較はできないのであしからず。

2)スパークプラグ

 以前であれば、ことあるごとに点検して、電極の隙間を調整したり、カーボンを落としてみたりしつつ、電極が摩耗していれば交換。下手をすれば車検2回ぐらいで新品にしていた。それが1990年代後半ぐらいからプラチナプラグが登場してロングライフ化。今では10万kmまで点検も不要となっている。実際はかなり消耗しているが、メーカーとしては走りに問題ない範囲という認識なのだろう。

交換頻度が減ったり交換サイクルが伸びているものもある!

3)冷却水

 エンジンの素材などが理由で、車検ごとに交換していたが、現在は新車からの初回交換は16万kmもしくは7年ごとと、下手をすれば一生交換しなくてもいいほど。ちなみに2回目は短くなって、8万km/4年後になる。

4)エアクリーナー

 昔から役割や構造は変わらないので、ロングライフ化しなくてもよさそうだが、5万kmごとというのが多い。昔は3万kmごとが多かったので、少しロングライフ化だ。

 以上、ロングライフ化において、今までの常識が通じないポイントを4つあげてみたが、今後もこの傾向は進むのは確実だろう。はっきりとした時期の変化は出せないが、タイヤもロングライフ化に力を入れている。

 ただ、ATのフルードなど、高性能化によって負担が増えて、逆に交換時期が短くなっているものもあるのは面白いところだ。そもそもATのフルードは、無交換という時代もあったほど。今後はさらなる常識の変化にも注目していきたい。