どうも、カップ麺ブロガーの taka :a(たか)です。

これまで紹介してきたカップ麺のアレンジレシピ(第1回〜第5回)では、基本的に通年販売されているレギュラー商品をチョイスしてきたので、今回は “期間限定” の人気商品「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 辛旨焼そば」を使ったアレンジレシピを紹介します。

2020年5月発売の「辛旨焼そば」は3代目


蒙古タンメン中本(もうこたんめん なかもと)とは、東京都板橋区常盤台に「上板橋本店」を構える行列の絶えない人気ラーメン店で、創業は1968年9月12日。先代店主の故・中本正氏が開業した「中国料理 中本(旧・ボルシチ料理中本)」を前身とし、現在は二代目店主の白根誠氏(株式会社誠フードサービス代表取締役)が “辛うまラーメン日本一” の味と歴史を守っています。

今回のカップ麺「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 辛旨焼そば」は、日清食品とセブン&アイ・ホールディングスの共同開発商品「蒙古タンメン中本」のカップラーメン発売10周年を記念して開発されたシリーズ初のカップ焼そばで、初代発売日は2018年10月22日。その後、2019年5月6日に二代目、2020年5月7日に三代目(このページで使用)を発売しているのですが、いずれも中身は変わっていません。

地味に辛い


同じくセブンプレミアムから展開している数量限定の激辛カップ麺蒙古タンメン中本 北極ラーメン」ほどの辛さではないものの、パッケージの裏面に “辛みが強いので注意してお召し上がりください” とあるように、辛さレベルは “ふつうに辛口”(辛い食べ物が苦手な方にとっては辛口以上)の辛さ。それと同時に中毒性の高いテイストを打ち出し、多くの固定ファンを獲得しました。

もちろんアレンジなしで食べても充分おいしいカップ麺なのですが、今回は山形の郷土料理「ひっぱりうどん」からヒントを得たレシピを紹介します。そもそも「ひっぱりうどん」とは、どんな料理なのかアレンジの前に概要を書いておきますね。

エースコックもカップ麺で再現(JAPAN FOOD記 山形ひっぱり風うどん)


ひっぱりうどんとは、山形県の内陸部・村山市戸沢地域が発祥といわれている郷土料理で、うどん(乾麺)を茹で上げて鍋のまま食卓に置き、それを “ひっぱりあげて食べる” から「ひっぱりうどん」と呼ばれるようになった、というのが有力説。使う食材は家庭によって異なりますが、長期保存可能な「サバ缶」や「納豆」を入れるのが各家庭に共通する個性的なポイント。

冬になると厳しい寒さを迎える山形県の内陸部では、非常時に備えて保存食の乾麺や缶詰を常備している家庭が多く、さらに昔から農家の多くが自家製の納豆を作っていた歴史もあって「ひっぱりうどん」が普及したとされているのですが、かつて村山市戸沢地域の生業として盛んだった「炭焼き」とも深い関係があり、火力の調整から目が離せない職人が作業中に手早く食べられる料理として考案されたともいわれています。

○今回のアレンジに必要なもの

1961年(昭和36年)山形の名産品「さくらんぼ」を長期保存するため、缶詰の加工を目的としたマルハニチロ系列の工場が西村山に建ち、その関係で “鯖(さば)の缶詰” が「ひっぱりうどん」で定番の食材になったらしいのですが、以前にサバ缶を「蒙古タンメン中本 辛旨焼そば」に入れてみたところ、味がまとまらなかったので‥‥‥

サバ缶ではなく削り節を使用


アウェイ感のスゴかったサバ缶の代わりに「かつお削り節」と「納豆」「卵黄」「もみ海苔(味付)」を用意しました。とはいえ削り節は混合でも大丈夫ですし、海苔も好みで焼き海苔や刻み海苔に変えていただいても構いません。あとは調理後の「蒙古タンメン中本 辛旨焼そば」に “ちょい足し” するだけの簡単調理なのですが、カップ麺を作る際は以下の項目に注意が必要です。

まずは3種類の小袋を取り出す


カップ麺に別添されている小袋は、後入れの「液体ソース」「粉末ソース」「中本特製 辛味噌風味マヨ」の合計3袋。あらかじめ具材は容器の中に入っているため、小袋を取り出したら熱湯を注ぎます。で、熱湯を注いでから待っている間は―――

1.「液体ソース」は “フタの上で温める”

2.「粉末ソース」と「特製マヨ」は “温めない”

上記の2点を徹底してください。

湯切り後は “粉末ソースから” 投入!!


湯切り後に重要なのは、液体ソースよりも “先に粉末ソースを馴染ませる” こと。たとえば調味オイルと粉末ソースで構成されているカップ焼そばの場合、調味オイルを粉末ソースよりも先に入れて潤滑油にするのですが、今回その必要はありません。

逆に液体ソースから先に入れてしまった場合 “粉末ソースが液体ソースを吸収してダマになる” ので、まずは粉末ソースを全体に馴染ませてから液体ソースを加えてください(注意:粉末ソースは豚脂で固めてあるため、うっかりフタの上で温めると小袋の中でダマになります)。

納豆は “タレあり” で


魚粉と刻み海苔については下準備不要ですが、お湯を注いでから待っている間に納豆をかき混ぜ、卵は卵黄と卵白を分けておきます。今回は納豆に別添されているタレ・からしを使用していますが、けっこう元の味が濃い目なので、お好みにより調節してください。それでは、実食いってみましょう。

○粘りの中本 “ひっぱり” まぜそば風

中毒性ブースト!!


ちょっと人を選ぶ見た目ではあるものの、納豆と魚粉さえ苦手でなければ無条件でオススメしたい組み合わせ。辛旨焼そばのソースは発酵食品の味噌がベースになっているので、同じ発酵食品の納豆と相性がよく、蒙古タンメン中本カップ麺には使用されていない魚粉も納豆(だし醤油)の橋渡しで違和感なくフィット。

しっかり混ぜる!!


まったりとした卵黄のコクと納豆の風味、そこに重なる刻み海苔のアクセントもさることながら、特製マヨの酸味も絶妙で、麺が大盛りでも最後まで食べ飽きません。上記の画像では比較的いい感じに見える程度にとどめていますが、実食の際は見た目を気にせず、全体を大きく混ぜて食べるのもポイント。

卵黄と納豆で辛さも和らぐため、もうすこし辛さを抑えたい―――という方にもオススメ。ただし、大盛麺130g+納豆+卵黄のボリュームは地味に重たいのと、かなり中毒性の高い一杯に仕上がるので、くれぐれも食べ過ぎには気を付けてください(まだ胃袋に余裕のある方は、容器の底に残っている納豆に “追い飯” かまして優勝です)。