2019年11月15日(金)に発売されるポケットモンスターシリーズ最新作の「ポケットモンスター ソード・シールド」は、過去シリーズのすべてのポケモンがゲーム中で使用できるわけではないことがインタビューの中で明らかになっており、このことが多くのファンの反感を買うこととなりました。想像以上の批判にさらされることとなったポケモンですが、これに対抗してポケモンの開発元であるGAME FREAK(ゲームフリーク)に感謝を伝えようという「#ThankYouGameFreak」なるムーブメントが巻き起こり、世界中で話題となっています。

Why Pokémon's #ThankYouGameFreak is trending • Eurogamer.net

https://www.eurogamer.net/articles/2019-11-09-why-pokemon-thankyougamefreak-is-trending

ポケットモンスター ソード・シールドでは過去のポケットモンスターシリーズに登場したすべてのポケモンが使用できるわけではなく、一部のポケモンはそもそもゲーム内で利用することすらできません。このことはソード・シールドのプロデューサーを務める増田順一さんと、ディレクターを務める大森滋さんへのインタビューの中で明らかになっていました。ただし、この段階では実際にどのポケモンがソード・シールドで利用できるのかがまだ明らかになっていませんでした。

『ポケットモンスター ソード・シールド』の“いま聞きたいこと”について増田順一氏、大森滋氏を直撃。「連れて来られるポケモンの話」にも言及!【E32019】 - ファミ通.com

https://www.famitsu.com/news/201906/13177936.html

しかし、ソード・シールドの発売が間近となった2019年11月初頭、ソード・シールドで利用できるポケモンの全リストがインターネット上でリークされることとなります。

ポケットモンスター ソード・シールドで登場する全ポケモンのリストがリークか - GIGAZINE



「どのポケモンが使えるのか?」についての詳細な情報が公開されたことで、インターネット上のポケモンファンたちから批判が噴出することとなりました。この影響かどうかは不明ですが、インターネット上に批判があふれたのち、株式会社ポケモンはソード・シールドの発売イベントを中止することとなっています。なお、株式会社ポケモンはイベント中止の理由を「弊社運営上の都合により中止とさせていただくことになりました」とだけ説明しています。

ソード・シールドで利用可能なポケモンの全リストがリークされたのち、インターネット上での批判は日に日に高まっています。海外のインターネットユーザーからは「#Dexit」というハッシュタグに批判が集まっています。



増田さんと大森さんは海外ゲームメディアであるEurogamerのインタビューの中で、「確かにゲームを作成しているときに、多少のプレッシャーを感じますが、ゲームの開発自体をストレスと感じるようなことはありません。結局のところ、ゲーム開発は我々のやりたいことであり、本当に楽しいことです。我々は間違いなくファンのすべての願いと期待に応えたいと考えています。しかしこれは非常に難しいことです。そういう意味でも、間違いなくプレッシャーはあります」と、ポケモンファンを喜ばせることの難しさを語っています。

また、ソード・シールドがすべてのポケモンに対応しているわけではないという点については、「内部的には非常に難しい決定でした。どの方向に進むべきかについて、多くの議論がありました。一部のポケモン図鑑を切り離すという決定は、ゲーム全体で我々ができる限り豊かな体験を作成することための最高のソリューションとなりました」と語り、ゲームとしてのクオリティを保つためにすべてのポケモンに収録しなかったと説明しています。

そんなソード・シールドの開発に励むゲームフリークを応援するためのハッシュタグが「#ThankYouGameFreak」です。ハッシュタグを作ったのはゲーム配信者のMysticUmbreonさんで、自身のTwitterアカウントで「子どもの頃の厳しい時期を乗り越えるのに大きく役立ったゲームを作り出してくれたゲームフリークという会社のために、#ThankYouGameFreakというトレンドを作り出せるか試してみたい。ゲームフリークにとって厳しい状況であることはわかっていますが、ファンはいまだにゲームフリークとその開発するゲームを愛しています。ゲームフリークのすることに感謝しているなら、是非このハッシュタグを広めてください」とツイートしたことがきっかけでした。



MysticUmbreonさんは自身のYouTubeチャンネル上でも、「#ThankYouGameFreak」というハッシュタグを作り出した理由について語っています。MysticUmbreonさんはムービーの中で、「このハッシュタグを作ってゲームフリークが受けているすべての憎しみに対抗することを試みます」と語りました。

#ThankYouGamefreak Spread this! - YouTube

ハッシュタグの「#ThankYouGameFreak」は世界中に広がりをみせており、Twitterの世界中のトレンドを調べられるTwittrendによれば、日本時間で2019年11月10日の4時時点では全世界トレンドの18位に入っているほか、アメリカ(2位)、カナダ(1位)、メキシコ(4位)、フランス(11位)、イタリア(4位)、スペイン(8位)、ポルトガル(17位)、オランダ(5位)、ベルギー(2位)、フィリピン(17位)、オーストラリア(17位)といった世界各国でもトレンド入りしています。

海外の過去のトレンド(12時間前) | Twittrend(ついとれ) - 今、話題になっている各地域のTwitterトレンド



「主要なビデオゲームのフランチャイズで、黒人を一貫して肯定的に描写してくれる作品は、正直に言って多くのことを意味すると思います」



「とんでもなく多くの時間を費やした素晴らしいゲームと、私に多くの思い出と素晴らしいポケモンの数々を与えてくれたゲームフリークにありがとう」



「神を創造してくれてありがとう」と賛辞を贈る人も。



「私が初めてプレイしたゲームのひとつを作ってくれてありがとう!ポケモンは私の子ども時代を形作り、他のどのゲームシリーズよりも私に大きな影響を与えました。ゲームフリークの皆さんが行ってきたすべての仕事と、これから行っていくであろうすべての仕事に信じられないほどの感謝を伝えたいです」



「私の幼少期の最高の思い出をありがとうございます。幼少期に引っ越しをした際、私は友達がいなくなりました。しかし、私はニンテンドーDSとポケットモンスター プラチナを持っていたため、周りと話すきっかけを得られ、すぐに親しい友達を作ることができました。なので、ポケモンのことは決して忘れられません」



なお、ハッシュタグの「#ThankYouGameFreak」については、ソード・シールドでディレクターと務める大森さんも認識しているようで、Twitterアカウント上で感謝を述べています。