鋳造技術で一品モノの生活雑貨
砂型鋳造は、木型を用いるため、ダイカストや金型鋳造と比べると費用が安価という利点があるが、量産化には不向き。
浦竹社長はインテリア製品の投入と連動して、町工場を活性化させる目的で、自身がトップを兼務する工場のブランディング会社、アーチジャパン(大阪市浪速区)を2011年に発足させた。アーチジャパンは中小企業のキャッチコピーや会社案内づくりなどを支援する。参加交流型サイト(SNS)を通じて積極的に情報発信をしてきた。
派手な発信で「自動車シート以外の金型製造の問い合わせも入るようになった」(浦竹社長)という思わぬ効果も生まれた。真空成形用や家電製品向けの金型などの受注が舞い込み、自動車シート用金型の比率は以前の90%から80%に下がったという。「リスク分散としては良い結果」(同)と手応えをつかむ。
情報発信は採用にも相乗効果をもたらした。中小企業の工場長経験者から応募があり、今夏に入社予定だ。インテリア製品は「これまで既存事業と並行して取り組んできたが、その工場長経験者が中心となる専門部署の発足も検討している」(同)という。
一方で「本業が多忙になると、雑貨やブランディングへの対応はどうしても難しくなる」と話す。このためアーチジャパンは今後、既存の企画・デザインなどの事業は残しつつ、デザイン事務所と連携し、営業面を委託する計画だ。
こうして盛り上げてきた“サイドビジネス”だが、同社にとっても踊り場に直面している。転機は浦竹氏の17年の社長就任だ。砂型鋳造から派生したさまざまな取り組みは全て、浦竹氏が社長就任前に立ち上げたもの。それだけに社長の今は社員から「好き勝手やっていると見られるわけにはいかない」(同)と打ち明ける。
