ミニ・クラブマン「ブラックパック」は、本質的に「お得」か A3や1シリーズを見ると…
■どんなクルマ?
オプション後づけよりも「お得」
ミニを買うひとは、カスタム志向が強いかもしれない。
事実、新車で販売されるミニの5台中4台は17インチのアロイホイールや、気分を高揚させてくれるインテリアを標準装備したチリ・パックを装備している。
このたび追加された「ブラックパック」も、そんなカスタムを楽しむ顧客に向けたクルマであると言えるだろう。
しかし、まず初めに言わなければならないが、この装備は特別変わったモノではなく、エントリー・モデルに付けるようなパッケージとほとんど変わらないということ。
17インチのアルミ・ホイールと、ブラックのボンネット・ストライプ、そしてピアノ・ブラックの内装パネルがこのパッケージの目立った装備品である。
実はこのオプション・パーツ、今回はパッケージになっているが以前から選択することができた。
公示されている値段は£700(9万8千円)だが、任意でオプション装備として選択していくと£900(12万6千円)。なるほど、少しおトクだ。
このパッケージを装備したクラブマンの総額は、イギリスでは£21,430(312万円)となる。ただしこれはエアコン・ナビを装備し、マニュアル車だと仮定した際の値段だ。
ミニの目論見としては、10台中1台はこの仕様。実際はどうなるのだろう?
■どんな感じ?
過剰な期待をすることなかれ
特筆すべきは、「ただのクラブマンである」ということ。
良い意味で解釈するのならば、クラブマンはこれまでのミニがそうであるように、家族向けのクルマであってもドライブがそこそこ楽しいクルマである。
適度に重たいステアリングは計算高く、パキッとした反応を示し、感じの良いマニュアル・ギアボックスをもってすればクラブマンは素直なマシンとなる。
「家族グルマ」という尺度では間違いなく楽しい。
ただし、前のモデルの呪縛に囚われているとも言える。
乗り心地の面では、ホイールベースの延長、よりしなやかに動くサスペンションの導入があった。
しかしながらデコボコ道での安定感は改善が見られるとは言い難く、長距離ドライブにはうんざりしてしまうかもしれない。
エンジン、インテリアにも気になるところが
エンジンに関してはスムーズで。都市部での使用でもキビキビ仕事をしてくれる。ただ高回転まで回した際の車内に篭る音はちょっと煩い。
室内に目を移すと、光沢のあるピアノ・ブラックのパネルが美しいが、しかしながらライバルのアウディA3スポーツバックやBMW1シリーズと比べると特段秀でているわけではない。
一方、従来通りの家族グルマを基準にすると広々とした室内/足元空間が備わっていて家族には嬉しい。
カントリーマンの特徴、リアのドアもカッコいいが、運転席からの後方視界はドアのせいで良好とはいえない。
■「買い」か?
目線をミニ意外に向けると……
クラブマンをファッションの一部として考えているのならアリだ。£700(9万8千円)で色々と付いてくる。
ただ、アウディA3やBMW 1シリーズのほうが出来が良いの事実。クラブマンの個性をとるか、品質をとるかはアナタ次第である。
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ミニクーパー・クラブマン・ブラックパック
■価格 £21,430(312万円)■最高速度 204km/h
■0-100km/h加速 9.1秒
■燃費 19.6km/ℓ
■CO2排出量 118g/km
■乾燥重量 1375kg
■エンジン 直列4気筒1499ccターボ・ガソリン
■最高出力 136ps/4400-6000rpm
■最大トルク 22.4kg-m/1250-4300rpm
■ギアボックス 6速マニュアル