口が悪い人ほど、実は正直者:ケンブリッジ大の研究結果

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日常生活における“お里が知れる”スラングの使用頻度とウソつきの相関関係について、ケンブリッジ大学がある最新リサーチ結果を提示した。

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日本人にもすっかりお馴染みの「Fワード」(=f_ck)から始まり、先ごろのリサーチでもっとも下劣な(?)英単語のひとつに選ばれた「Cワード」(=c_nt)まで、不満を述べたり、悪態をついたりする際に発するスラングが、英語には豊富に揃っている。当然、それらの言葉を、職場や公共の場で口にすることは、ときに致命傷のマナー違反とみなされ、それこそ「お里が知れる」と卑下されることさえ少なくない。

しかし、実は「口が悪い人こそ正直者」という研究結果がこのほど発表された。端的にいえば、「歯に絹着せない」物言いをする、一般に「口が悪い」とされるタイプは、感情を率直に表現する性格と表裏一体であり、つまりは嘘をついたり、虚言を吐いたりする確率が低いというのだ。

この研究を実施したのは、ケンブリッジ大学に所属するチームで、実験を2段階に分けて行っている。まずは276人の被験者に、自分が好きなスラング、普段もっともよく使うスラングなどを、その理由とともに質問したあと、各参加者をウソ発見器にかけるというもの。ウソ発見器を用いるのは、質問に対する答えが真実の回答であるかどうかの裏付けを得るためだ。参加者によっては、実生活におけるスラングの使用頻度や種類を逐一正確に答えるのではなく、社会的に許容可能な範囲内に自分の答えが落ち着くよう、事実とは異なる虚偽の回答をするのでは、という前提がそこにはある。

興味深い第1ステージの結果はといえば、日常生活で使用するスラングの単語数や使用頻度を少なく申告していた参加者の方が、実際には、実験の質問に対してウソの回答をしていたことが判明した。実験の第2ステージでは、被験者の母数を7万5,000人まで増やし、Facebookを通じ同様の手法で実験を行なったが結果は同じく「日常的にスラングを使うことは少ない」とした参加者に、より多く虚偽の回答をする傾向が観察できたという。

実験を行ったディヴィッド・スティルウェル博士はケンブリッジ大学のホームページ)において、「言葉で悪態をつくことは正しいことではないですが、同時に本心からの意見をあなたに伝えようとしているサインでもあります。自分たちの言葉をフィルターにかけず発しているのと同じように、自分の意見に関しても第三者を気遣って、本心と懸け離れた意見を伝えたりということには興味がないのです」と語っている。

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