4月14日午後3時ごろ、神奈川県川崎市内のショッピング施設敷地内で、6歳の女の子の頭部に折れた樹木の枝が直撃するという事故が起きた。風もなくおだやかな天気だったにもかかわらず、いきなり長さ約9メートル、重さ約20キロもある大きな枝が落ちてきたのだ。

 先月にも広島県三原市内の多目的ホール敷地内でポプラの木が倒れ、通行人に当たるという同じような事故が起きている。川崎市の事故で女の子を襲った樹木はケヤキだったが、一般的にもなじみ深い街路樹であるこのケヤキが、実はクセモノなのだという。
 「ケヤキの木は日当たりが悪い枝を自ら枯らして、必要な枝へ養分が行き届くようにする性質があります。栄養が行き届かなくなった枝は、腐って簡単に折れる。市は定期的に街路樹の巡回点検をしていますが、今回の事故は民間の敷地内なので行政の管理外にあり、市職員が危険を促す勧告をする必要がなかったのも不運でした」(樹木医)

 街路樹は道路の所有者である都道府県や市町村が管理しているが、民間施設内などの樹木は民間の管理会社などに任せていて行政は全くタッチしておらず、さらに検査の期間や方法もバラバラで、いつ今回のように突然頭上から災難が落下してこないとも限らない。この木は危ない! と判断する方法はないのか。
 「樹木に異常があるとキノコがたくさん生えます。キノコが生えているということは、樹木の内部に腐朽があるということですから、怪しい枝などが発見され次第、直ちに撤去するなどの措置を講ずれば一応は安心です。ただし、根っこが腐るなど地下の部分に関しては専門家が調査しないとわからないことが多く、キノコが付着していないからといって安心はできません」(同)

 行政サービスは今後も、財源不足からますます行き届かなくなると思われる。“ながらスマホ”は言語道断。上を向いて歩くべし!