これが正解! :2銘柄とも今年売却したほうが得

CASE-5 年間通算損益−50万円・保有株は含み益

マイナス50万円の確定損失でみずほ株の利益36万円を相殺!

確定損益がマイナス50万円の場合は、その損失を利用してみずほ株の含み益36万円だけを利益確定。年間の通算損益をマイナス14万円にして税金を0円に。三井住友株の含み損17万5000円は決済を急ぐ必要はない。来年以降、利益が出るか出ないかは風まかせであるものの、損失の3年間繰越控除制度は来年以降も継続。税率倍増によって、損失の潜在的な税額圧縮効果も来年以降は2倍になる。なるべく税金を払わないためには損失を確定申告して繰越控除枠を継続させることが非常に重要なのだ。確定した利益が繰り越した損失額を超えない限り、税金を払う必要はナシ。もちろん損失の繰り越しばかりを繰り返していては永遠に儲からないのだが……。

これが正解! :みずほFGは今年売却したほうが得

まとめ

株式投資の?勝ち組〞は税金をたくさん払う人!

節税への対策はさまざまだが、「税金を払わない」ことだけに神経をすり減らすのは本末転倒。「ここで売ったら儲かりすぎる」「損したほうが税金を払わないで済む」という発想は愚の骨頂以外の何物でもない。

しかも、株価は絶えず変動しているので、利益を伸ばしたり損失を減らせる売買チャンスは一瞬。なるべく儲けて税金をたくさん払うのが、株式投資の王道といえるかも。

利益が出たら、税率に応じた税金を払う

利益分は税率が低いほうがトク(納める税金が少なくて済む)

利益が出ている銘柄は2013年内に売る

損失が利益を上回れば、税率に応じた還付金を受ける(ほかに利益が出る取引があれば)

損失分は税率が高いほうが得(還付金が多くなる)

損失が出ている銘柄は、利益分と相殺になる金額まで2013年内に売る、あとは2014年に売る!

結局…
株価の動きや取引の状況次第で、得する売却時期が変わる

年内にできる特別テク 配当額と同じ額の損失を確定させよう

税金は値上がり益だけでなく、配当金にもかかってくる。しかも、配当の税金はあらかじめ源泉徴収されてしまっているので、もし塩漬け株を決済して譲渡損損が発生した場合は、しっかり確定申告をして自力で取り戻す必要がある。まだ含み損段階の場合でも、配当課税額と同額の損失だけは年内に確定して、支払った税金の還付を受けたいところ。株主配当金をもらうために必要な「配当金領収書」とともに送付される「配当金計算書」を集めて確定申告に備えよう。

P O I N T ネット証券なら超便利!!

ネット証券なら、「特定口座(源泉徴収あり)」で「上場株式配当等受領委任契約」を選択し、配当受領方式を株式数比例配分方式にすると、株の譲渡損失と配当金の源泉徴収税額を自動的に損益通算してくれるので便利。ただ、それでも年間損益がマイナスの場合は確定申告をして自力で損失を繰越控除する必要がある。

この記事は「WEBネットマネー2013年11月号」に掲載されたものです。