株式会社キャリアブレインのキャリアコンサルタントの石井美和さん
 「今年と来年は薬剤師にとっては転職のラストチャンスかもしれませんね」、こう話すのはキャリアブレインのキャリアコンサルタントの石井美和さんです。

 石井さんは医療業界全般の転職に携わり、現在は薬剤師の転職をサポートして3年目になります。彼女がラストチャンスと表現するのは、2006年度の入学より薬学部が4年制から6年制へ移行され、再来年まで新卒が出てこないからです。

 しかし、言い方を変えれば再来年からは採用市場に新卒が一気に溢れ出すということになります。さらに薬学部の新設ラッシュにより薬剤師の絶対数が増え、近い将来、飽和状態になってしまいます。だからこそ、この2年間が薬剤師にとって最大の転職チャンスと言われているのです。しかも最近は薬剤師に求められる資質も変わってきているようです。

「これまでは、薬剤師の方に求められるのは調剤のスキルや正確性でしたが、最近はコミュニケーション能力や経営者感覚で物事が考えられるか、ということが求められています。要は薬剤師としていかに売上に貢献できるかですね。また、少し前までは、調剤薬局から他の調剤薬局へ、転職をして応需科目の経験の幅を広げる方が多かったのですが、昨今では調剤薬局のチェーン化が進んでいることもあり、同じ会社に勤め続けながら店舗異動にて多科目の調剤を経験出来るようになりました。そのため、科目を経験したいというだけで、安易に転職を繰り返すというケースは減少しており、採用側も転職回数が多い人の選考は慎重になっています。」と石井さんは教えてくれました。

 それでも、石井さんは医療業界の転職代理人としてこれまで150件近くの薬剤師の転職を手がけており、中でも、薬剤師の調剤薬局や病院への転職には強いという自信を持っています。

 例えば、新卒でCRCから競争率の高い病院への転職を希望している薬剤師を、実務未経験にも関わらず就任させたこともあります。それも年収アップで、です。石井さん自身の交渉力もありますが、キャリアブレインは薬剤師以外にも、医師、看護師、介護職の転職サポートも行っているため、薬剤師専門の転職会社よりも病院へのパイプが太いのです。そのため、病院へのステップアップを提案しやすいというメリットがあるようです。

 また、面接にも同行し、自己紹介や志望動機といった部分は石井さんがプレゼンしてしまいます。もちろん、本人に就任の意思があれば、給与や勤務地、勤務時間などについても代理で交渉します。
転職時も就任後も薬剤師の方のストレスを極力減らすように心がけています。時には紹介する案件のネガティブ情報も伝えるようにしています。やはり一番大切なのは薬剤師の方が納得して就任し、なおかつ長く安定して働けることですから」と自らのモットーを語りました。

 ちなみに全国の調剤薬局の数はコンビニエンスストアより多いのです(2008年3月末の時点で薬局は53,304軒なのに対しコンビニエンスストアは41,189軒)。各店舗とも小規模で職場環境も異なるため、その中から自力で納得いく職場を見つけ出すのは至難の業といえます。だからこそ、石井さんのような医療業界を熟知した転職のパートナーを見つけることが必要なのかも知れません。


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