カルデロン前会長突然の辞任による影響が心配されていたR・マドリー。開始早々から最下位のオサスナ相手にホーム、サンティアゴ・ベルナベウで苦しい戦いを強いられることとなる。

 前半19分、ネクナムのヘディングシュートで先制したオサスナは、中盤でボールをキープしアウェイながら試合の主導権を掴む。R・マドリーは後方からのビルドアップに苦しみ、なかなか前線へ良いボール配給ができず、サポーターからはブーイングまで出る苦しい展開となる。オサスナは右サイドでガゴを抜ききったフアンフランがペナルティーエリア内で倒されたが主審はフアンフランのシミュレーションとしてイエローカード。ガゴの足は確実にフアンフランを捕らえていただけに疑惑の判定だった。

 前半はまったく良い所がなかったR・マドリー。後半、フンテラールを投入し巻き返しを図る。セルヒオ・ラモスのロングシュートがオサスナGKロベルトのファンブルを誘いまさかの同点ゴール。痛恨の失点で失速したオサスナはイグアインに追加点を許し、R・マドリーが勢いを増すかに見えた。

 この試合一番の問題となるシーンは後半38分に起こる。右サイドでボールをキープし突破にかかったフアンフランが今度はペペに足を完全に踏まれ倒れる。主審のペレス・ブルル氏はPKスポットを指し笛を吹いたかに見えたが、なんと次の瞬間フアンフランに駆け寄りイエローカードを出す。これで2枚目の警告となったフアンフランは退場処分。不可解な2度目のシミュレーション判定で同点のピンチを免れたR・マドリー。最後はロッベンのだめ押しとなる追加点で勝ち点3をなんとか奪い取った。

 なんとか勝ったR・マドリーだが、試合は決して褒められる出来ではなかった。ペレス・ブルル主審の助けを借りた形となっただけにスペイン各紙は“ペレス、辞めろ”“R・マドリー、13選手で勝利”といった批判を浴びせている。R・マドリーの復活にはまだまだ時間が必要なのかもしれない。

(スペイン通信)