最大手のミクシィ(mixi)の登録者数は500万人を超えるなど、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が急成長している。当初は「知り合い同士をオンラインでつなぐ場所」という目的が主だったが、これだけでなく、SNSという「場」を実際のビジネスに生かそう、という動きが盛んになってきた。中には、物件も出資者もミクシィで探して、開業にこぎつける、というケースもある。

ネット上で儲ける方法について議論する
オンラインでもビジネスにリスクはつきものだ
オンラインでもビジネスにリスクはつきものだ

   この様なやりとりが実際に行われるのは、コミュニティー、略して「コミュ」が中心だ。一番身近なのが、「フリーマーケット」に近い形だ。主に売買されているものは、古本、衣類など。アナログの掲示板の「売ります・買います」コーナーが、SNSに移動してきたような感じだ。

   いかにもネット住民らしいのが、「初心者がネット上で儲ける方法」について議論されているコミュだ。こちらでは、アフィリエイト、ドロップシッピング、グーグル・アドセンスなど、「ネット上の小遣い稼ぎ」についての談義が行われている。

   その他にも、投資の方法について語り合うコミュなど、話し合われる内容は広い。

   さらに、オンラインの「コミュ」がオフラインに発展した例もある。「Web2.0でビジネスが変わる」(ソフトバンク新書)によると、この本の著者でビデオジャーナリストの神田敏晶さんは、04年10月、SNSをモチーフにしたバー「ドット・バー」をオープンした。開業にあたっては、物件も出資者もミクシィで探し、3ヶ月目で見つかったのだという。このバーは、いわゆる「一見さんお断り」の店で、メンバーの招待が必要だが、周りにメンバーがいない人は、ミクシィの該当コミュに参加を表明し、承認されることで、メンバーの招待と同様のものとして扱ってもらえる。

バイアグラを日本に輸出する商売もある

   コミュの紹介文には、

「ITの会員制テーマパークを目指しています!」
「コンテンツは『酒』ではなく『人』です!」

とある。オンラインでの人脈をオフラインで生かすための「場」、だという位置づけだ。とある。このコミュの参加者人数は、1,994人にも及ぶ。

   その一方で、一歩間違うと違法行為に足を突っ込みそうなコミュも無くはない。

   「まずは副業、小遣い稼ぎにチャレンジしてみて下さい」というこのコミュ、バイアグラなどの医薬品を海外在住者が日本に輸出販売しようという趣旨なのだが、

「オークションもかなり穴があるので売れます」

   と規約をくぐりぬける方法を示唆する、かなりきわどい発言も載っている。「オフライン」と同様、ビジネスに「リスクなし」というわけにはいかないようだ。