「80歳定年制度」を導入した企業に取材を行った。

高齢者の7割が「働きたい」と希望

少子高齢化や人手不足に伴い、高齢者の定義引き上げや定年延長などが議論されている。

働きたいと考えている高齢者も多く、内閣府の調査によると60歳以上の高齢者の28.9%が「働けるうちはいつまでも働きたい」と考えているとか。

「内閣府」資料

実に高齢者の71.9%が働くことを希望している。

LEOCが「80歳定年」を導入

そんな中、フードサービス事業を行う「LEOC(レオック)」が4月から80歳定年制度を導入した。

「LEOC」提供

正社員および契約社員を含めた従業員約5000人が対象になる。

70歳以上が1000人以上

LEOCは全国約2000カ所の事業所で、病院や社会福祉施設、企業や学校の食堂に食事を提供する給食事業を展開。

同社では現在、全従業員約1万6500人のうち、70歳以上の従業員1000人以上が活躍しているという。

「イキイキと生活する場を」と引き上げ

なぜ、定年を80歳に引き上げたのか。取材した。

--「80歳定年」導入を決断した経緯は?

「一億総活躍社会」の実現に向けてシニア層のさらなる活躍が期待される中、弊社の成長に貢献してきてくれた従業員に、一生LEOCで安心して働いてほしい。80歳を過ぎても経験やスキルを活かしながら働くことで、より元気にいきいきと生活を送ってもらえる場を提供したいという願いから、制度導入に至りました。

さらに、少子高齢化が進み、年金制度が不安視される社会の中で、シニアの就労ニーズに応え、雇用を確保することで社会貢献の一助となることも期待しています。

同社は2013年4月よりパート社員の定年を廃止し、正社員・契約社員の定年を70歳に引き上げ。

さらに2016年には「75歳定年」を導入した。

「LEOC」提供

--シニアの方々はどのような仕事を担当?

ほとんどは事業所、いわゆる「現場」で食事提供に関わる様々な業務を行っています。

社員食堂、寮、老人ホーム、病院、保育園など、弊社が食事を提供する様々な施設で、調理、接客、仕込み、盛り付け、配膳・下膳(げぜん)、洗浄などの業務を担当しておられます。

中には70歳以上で、事業所責任者を担当する方もいらっしゃるそう。

お客様とのコミュニケーションを大事にしたり、きれいな盛り付けに気を付けたり、若いスタッフを育てたりなど、みんなそれぞれ経験を活かしてこだわりを持って取り組んでくれています。

「LEOC」提供

従業員から「元気のもと」と好評

定年を80歳に引き上げたことを働く人たちはどう思っているのか。

--社内の反応は?

パート社員の定年を廃止した時から、「長く働けてありがたい」「身体が元気な限り働きつづけたい」といった声はよく聞きます。

「働くことが元気のもと」「働くことで若い方と接したり、仲間もできて、また業務で色々な動きをするので、仕事をしながら健康にもなれる」などの意見も多くありました。

社内のみならず、社外からも「広告を見て元気をもらいました」という意見がありました。

「LEOC」提供

「安心して働ける受け皿を作る」のが目標

同社の代表取締役会長兼社長・小野寺裕司さんの夢は、LEOCグループの従業員のための老人ホームをつくることだそう。

歳を取って仕事を離れ、誰かの支えが必要になっても「自分たちの老人ホームがある」。そう安心して働ける受け皿をつくることが目標です。

元気で働けるうちは、仕事を通じてお客様を、家族を、社会を支える。でも、自分を支えられなくなったら誰に気兼ねすることなく世話になる。

今回の「80歳定年制」の導入によって、LEOCグループを強い組織にしたいと思っています。

「LEOC」提供

高齢者と若者、男性と女性、外国人と日本人など、様々な人が互いの多様性を認めあい、助けあい、学びあい、長所を引き出しあって成長できる。そんな強い組織に。

今後も従業員に対して働きやすい環境を提供するとともに、従業員と一緒に成長する企業を目指してまいります。