通算12年目、連続10年目のシーズンに挑む巨人・原辰徳監督 ©BASEBALLKING

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 27日の金曜日、いよいよ開幕する2015年のプロ野球。セ・リーグの今年の注目ポイントと言えば、4連覇を目指す巨人とそれに待ったをかけたい5球団による覇権争いだろう。

 昨シーズン、苦しい戦いを強いられながらも巧みな用兵術が光り、球団創設80周年のメモリアルをリーグ3連覇で飾った巨人。9月26日、横浜の空に8度舞った原辰徳監督の目からこぼれた涙が、2014年シーズンの苦しさをすべて物語っていた。

 ところが、クライマックスシリーズでは勢いに乗る阪神を前に本拠地で4連敗。“日本一奪回”を目指して戦ったシーズンはリーグ3連覇を達成しながら、日本シリーズの出場権を逃すという悔しい幕切れとなった。

 今年で監督通算12年目、06年から10年連続で巨人を指揮する原監督。オフには契約が切れることもあり、今年は周囲を納得させるだけの“結果”が求められる勝負の一年となる。

 23日に行われた巨人を応援する財界の激励会「燦燦(さんさん)会」に出席した渡辺恒雄最高顧問は、12年のキャリアで優勝7回、日本一3回を誇る原監督の手腕を高く評価し、「『これで終わった』なんて誰も言っていない」とし、「勝ち続ければ、そうなる」と続投の可能性を示唆。「勝ち続ければ」のところは気になるが、「僕は信じている。原君、頑張って」と締め、エールを送った。

 しかし、チームは極度の打撃不振から最後まで白星が遠く、6連敗で閉幕を迎えたオープン戦は11位。内海哲也の離脱や守護神スコット・マシソンの不調、さらには昨シーズン打線の中核を担っていたレスリー・アンダーソンも手術明けと不安の多い苦しい状況で開幕を迎える。

 球団では史上3人目となる連続10年目のシーズンを迎える指揮官は、この苦境を乗り越え、巨人に4連覇をもたらすことができるのか。今シーズンのセ・リーグの大きな注目ポイントになる。

◆ 連続して10年以上チームを率いた監督

鶴岡一人=23年(1946〜1968) ※46年〜58年の登録名は山本一人

王貞治=14年(1995〜2008)

川上哲治=14年(1961〜1974)

西本幸雄=11年(1963〜1973)

水原茂=11年(1950〜1960) ※55年〜59年の登録名は水原円裕

古葉竹識=10年+(1975/5月〜1985)

上田利治=10年(1981〜1990)

・原辰徳=10年(2006〜2015)

通算[11年]:1577試合 876勝646敗55分 .576

☆Aクラス10回、優勝7回、日本一3回

☆球団では水原茂氏、川上哲治氏に次いで3人目の10年連続。