大阪産業大学(大阪府大東市)重里俊行事務局長が4月、「孔子学院は文化スパイ機関みたいなもの」と発言したことで、同大学の中国人留学生が猛反発し、提携先の上海外国語大学も釈明を求めた。環球網が報じた。

 孔子学院は中国が中国語の普及などを目的として、世界各地の大学に開設している。大阪産業大学は上海外国語大学と提携で2007年、「大阪産業大学孔子学院」を開学した。

 重里事務局長は4月27日の教職員組合と大学側の団体交渉で、「孔子学院は、中国政府による“ハード面”の侵略ではないが、中国の拡張主義の“ソフト・ランディング”だ」、「文化的なスパイ機関みたいなもので、われわれは協力すべきでない」などと発言した。

 大学側は6月1日、重里事務局長に辞任を求めた。応じない場合には、解任する方針という。

 大阪産業大学は経営悪化のため2009年、「孔子学院」のキャンパス外移転を求め、上海外国語大学と意見が対立。3月末には、孔子学院の廃校を上海外国語大学に通告した。

 5月31日に上海外国語大学の王静副学長が来日して、一連の事態の説明を求めた。大阪産業大学は、「移転や廃校は、経営合理化のためだった。その他の理由はない」、「本学側に失礼な発言があったことについては、深くおわびする」と延べ、移転は廃校は「取りやめる」と回答した。

 環球網には、同記事に対して大阪産業大学を批判するコメントが寄せられた。上海外国語大学は中国でも一流校であるとして、格が違う大阪産業大学と提携すべきではないとの意見もある。スパイをするなら日本のAVの情報を収集しろとの書き込みもある。(編集担当:如月隼人)



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