計画通りに婚約破棄されて喜んだのも束の間、事態が思わぬ方向に…斬新設定の主人公令嬢と実直な王子との勘違いラブコメ!【書評】

【漫画】本編を読む
『お気楽令嬢は、婚約破棄にほくそ笑む』(彩綺いろは:漫画、アバタロー:原作/キルタイムコミュニケーション)は、婚約破棄を待ち望んでいた令嬢が、思わぬ勘違いの連鎖に巻き込まれていくファンタジーラブコメである。人気ジャンルの婚約破棄ものではあるが、ひと味違う切り口が楽しませてくれる作品である。
主人公のアンネローゼは、婚約者である王子から濡れ衣を着せられ、公衆の面前で婚約破棄を宣言される。しかし彼女は絶望するどころか、思わず「大っっ成功よ!」とほくそ笑む。なぜなら、それこそ彼女が長年待ち望んでいた展開だったからだ。アンネローゼの夢は、面倒なしがらみから解放されて田舎でのんびりスローライフを送ること。その計画通りに自由を手に入れた……のだが、突如現れた美青年・ゲオルグの求婚によって状況は思わぬ方向へ転がり始める。
アンネローゼの前向きなキャラクターも本作の魅力だ。陥れられたり、追放されたりしての婚約破棄で復讐へ走るなどではなく、あくまで自分の理想の暮らしを追い求める姿勢が主人公として斬新に見える。そんな彼女に振り回されながらも惹かれていくゲオルグとの関係も微笑ましい。勘違いが勘違いを呼び、恋模様が少しずつ動き始める展開には思わず頬が緩むはずだ。
そして、2026年7月14日に第3巻が発売。ゲオルグとの婚約関係やアンネローゼのスローライフ計画がどのような方向へ進んでいくのか楽しみにしてほしい。婚約破棄ものや悪役令嬢ものが好きな人はもちろん、肩の力を抜いて楽しめるラブコメが好きな人にぜひおすすめしたい作品である。
文=富野安彦
