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公道走行可能なマイクロカー

ポルトガルのスタートアップ企業であるAmble(アンブル)が、同社初の市販モデル『One』を発表した。アウディR8やアップルウォッチの開発に携わったデザイナーが設計した、車重450kgの超小型オフロード車である。

【画像】NASAの月面探査車からインスピレーションを得た電動バギー【Amble Oneを詳しく見る】 全8枚

Amble Oneは、マイクロリーノやルノー・トゥイジーと同じ欧州のL7e規格に適合したクアドリサイクル(小型四輪車)だ。しかし、ほとんどのマイクロカーとは異なり、さまざまな気候や用途に対応できるオフロード車として構想されている。


Amble One    Amble

デザインを担当したのはジュリアン・ホーニグ氏。以前アウディに在籍し、2004年の映画『アイ、ロボット』に登場したRSQのほか、初代R8、4代目A4、初代Q3のスタイリングに関与している。その後アップルに移籍し、同社のスマートウォッチのデザインを主導した。

ホーニグ氏は今から4年前にAmble Oneの構想を立ち上げた。ホテル業界に勤める友人から、高級リゾートでゲストを送迎するのに適したゴルフカートを探しているという相談を受けたことがきっかけだった。

ホーニグ氏はAUTOCARの取材で当時を振り返り、「条件に合うものは何一つなかったのです」と語っている。

そこで自らデザインに取り掛かった。そして、もし公道走行が可能になれば、需要はさらに高まるだろうと考えた。

「この時点で『これは本格的なプロジェクトだ』と確信しました」

こうしてホーニグ氏はAmble社の設立に至った。

デザインは月面探査車から着想

Oneの外観は、1960年代のNASAの月面探査車から着想を得ているが、ホーニグ氏はランドローバー・シリーズIや、自身が所有する1972年式フォード・ブロンコもインスピレーションの源として挙げている。

「街中で違和感なく溶け込むために、よいスタンスとプロポーションが必要であることは明らかでした。しかし、過剰なスタイリングや、無理に凝りすぎたものにはしたくありませんでした」


Amble One    Amble

側面が開放されているのは、当初ゴルフカートとして設計がスタートしたことに由来する。

ホーニグ氏は「さっと乗り降りでき、2分ほど店に立ち寄って飲み物を買い、次の店へ移動する、ということもできます」と語り、「自然とのつながりを深める」ことも目指していると付け加えた。

キャンバスルーフなどを備えた、悪天候に対応したモデルも用意される予定で、例えば欧州のスキーリゾートでも使用できるという。

Amble社の共同創業者であるアドリアン・ルース氏は、次のモデルの開発がすでに始まっていることを示唆した。「天候対策が若干強化され」、「欧州北部の気候により適した」ものになるという。そのため、一般的なボディが採用される可能性がある。

しかし、ルース氏はオープンエアでの運転体験を熱心に提唱しており、「(クルマによって作られる)バブルを取り払い、人々が屋外で隣り合って過ごすことで、より親しみやすい関係性やコミュニティが生まれると思います」と語った。

米国への輸出も視野に

L7e規格では最高速度90km/hまで認められているが、Amble Oneの最高速度は64km/hに制限される。

ルース氏は、「速度ではなくトルクを最適化しています。この車両の完全オープンな性質を踏まえ、それが適切な速度制限だと考えています」と述べた。


Amble One    Amble

アドベンチャー志向のコンセプトに沿って、25%の勾配を15km/hの速度で登れるよう設計されている。航続距離は約100kmで、欧州の家庭で標準的な3ピンコンセントから5時間半で充電できるという。

「一般的な家庭のセカンドカーとして、2日ほど使用できる距離です」とルース氏は述べた。

Oneは、4人乗りの乗用車、後部座席を荷台に置き換えたピックアップトラック、そして背の高い収納ロッカーを備えたカーゴという、3つの基本仕様が展開される。

Amble社は欧州に続き、米国への輸出も視野に入れ、現地の低速車両(Low Speed Vehicle)規格に適合させるなど、野心的な成長計画を掲げている。ただし、右ハンドル仕様が登場する見込みは薄い。

Oneの価格は約2万4000ポンド(約520万円)からとなる。納車は2028年に開始される予定だ。