壮行試合のアイスランド戦で先発した遠藤。前半のみのプレーで「45分、やれたのが自分にとっては大きな一歩」と振り返る。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 北中米ワールドカップの初戦オランダ戦まで、残り10日。5月31日のアイスランド戦で国内合宿を打ち上げた日本代表は、事前キャンプ地のモンテレイへ移動。現地6月3日からトレーニングをスタートさせた。

 初日は、午前10時の時点で気温30度超という猛暑の中での調整となった。このタイミングで合流した鎌田大地(クリスタル・パレス)の調子は良さそうで、21歳の若武者・塩貝健人(ヴォルフスブルク)は野心を全面に押し出してプレーする一方、キャプテンの遠藤航(リバプール)だけはピッチに姿を現わさなかった。

 JFA(日本サッカー協会)広報によれば「この前の試合で生じた違和感が残っているので、ホテルで調整している。ワールドカップ本番に向けて、コンディションを整えるために別調整している」との説明だった。

 本人もアイスランド戦の後、自身の左足首の現状をこう説明していた。

「オペしたところがおかしいというわけではないので、そこは心配してもらわなくて大丈夫というか。でも、その周りの環境が、腫れが出やすかったりというのがあるなかで、ワンプレーで違和感を覚えたり、張りが出ると、走るのも左右差があるみたいな感じなので。プレーがまったくできないという意味ではないんです」
 
 背番号6のボランチが実情をストレートに吐露した通り、手術後の身体は健常時のスムーズさからほど遠いものがある。機能自体は戻っていても、「なんか変だ」という感覚が拭えず、長い時間が経たないとなかなか消えない。それは一般人もトップアスリートも同じだろう。

「ここ(アイスランド戦)で45分、やれたのが自分にとっては大きな一歩。3か月半くらい空いていたわけなので。90分、やるつもりではいましたけど、それができたほうが、ちょっとおかしいかなというくらいの感じだったので。今は個人的にポジティブですし、逆に良い負荷がかかったので、良くなっていくと思います」

 遠藤はポジティブな見通しも口にしたが、アイスランド戦では持ち前のデュエル強度や球際の激しさを出し切れていない印象が強かった。そして今回、モンテレイ初日の全体練習に参加できないのだから、左足首を取り巻く環境は、一進一退を繰り返しているはず。あと10日程度でフル稼働できる状態に引き上げるのは、もしかしたら難しいのかもしれない。
 
 幸いにして、上記の通り、モンテレイ合宿からは鎌田が参加。彼と佐野海舟マインツ)の“新鉄板ボランチコンビ”が健在で、当面はこの2人で何とか乗り切れそうだ。

 しかし、問題は何らかのアクシデントが起きた時。オランダ、チュニジア、スウェーデンと戦うグループステージで、2人にフル稼働を求めたら、消耗度は計り知れない。

 森保一監督はそれを視野に入れ、アイスランド戦で瀬古歩夢(ル・アーブル)のボランチ起用にトライ。田中碧(リーズ)も使いながら現状を見極め、バックアップ体制を整えようとしている。

 ただ、瀬古も3日の練習では、ラストのゲーム形式のメニューを回避。もしかしたら何か問題があるのかもしれない。アイスランド戦の瀬古はボランチでまずまずのパフォーマンスだったが、W杯本番となれば、やはり未知数な部分もないとは言えない。

 ハイレベルな国際経験を備える百戦錬磨の遠藤が戻ってくれば、当然ながら頼りになる。できるだけ早期の回復を願いたいところだ。
 
 モンテレイでの4日以降のトレーニングに参加し、暑熱対策やコンディショニング、戦術の共有ができれば理想的だ。だが、別メニューが続けば、不安は膨らむ。考えたくはないが、場合によっては初戦の24時間前まで認められている登録変更も視野に入れなければならなくなる可能性もある。

「2026年W杯優勝」の大目標を自ら掲げたリーダーが志半ばで去るような事態だけは、絶対に避けたいところだ。

 森保監督としても、あらゆる可能性を頭に入れつつ、最善策を講じていくはず。チームの大黒柱とも言うべき遠藤の動向を注視したい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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