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 ◇パCSファイナルステージ第1戦 ソフトバンク5―2日本ハム(2024年10月16日 みずほペイペイ)

 6試合制で争う「2024 パーソル クライマックスシリーズ(CS) パ」のファイナルステージ(S)が16日に開幕し、ソフトバンクが5―2で日本ハムを下した。自身初の日本シリーズ出場に燃える4番・山川穂高内野手(32)が3回に決勝の中前適時打、8回には左越えソロを放ち、2安打2打点の活躍。相手先発の伊藤を攻略し、アドバンテージ1勝を加え2勝0敗とした。きょう17日の第2戦も勝てば早くも日本シリーズ進出に王手となる。

 4万142人の大観衆で埋まった本拠地ドームで「どすこ〜い!」とシャウトした。4番・山川が移籍1年目のポストシーズン初戦で期待通りの放物線を描いた。

 「完璧でした。大事な1戦目に、いい野球ができたのは確か」

 4―2の8回先頭でカウント1―1から杉浦の149キロ内角直球に反応した。左翼席に入る文句なしの130メートル弾。「打てたのは良かったけど、短期決戦は良くも悪くもその日その日でリセットされますので」とクールだった主砲は決勝打も放った。1―1の3回2死一塁で先発・伊藤の初球ツーシームを叩き、中越えの勝ち越し二塁打。レギュラーシーズンで16打数2安打に封じられ、8三振を喫していた伊藤を攻略。2安打2打点で勝利に貢献した。

 不動の4番は打席で少しリラックスできていた。9月16日のオリックス戦で右足首を捻挫し離脱していた近藤が「5番・DH」で実戦復帰。天才バットマンが後ろに控え「近ちゃんが久々にいて(打線の)流れの中で助かるなと」と思い切り勝負できた。

 西武在籍時の18年にソフトバンク相手のCSファイナルS初戦で本塁打を放ったが、日本シリーズ進出は果たせなかった。18、19年とリーグ制覇に貢献したが、自身はまだ日本シリーズ出場の経験がない。ただ、打席では目の前の一球に集中している。「集中力が高まる中で来た球を打って、振って、勝って、その先に、いい結果が」と語った。

 ポストシーズン初采配となった小久保監督は「めちゃくちゃ大きい」と初戦の勝利を喜んだ。前日の夕食には「カツやね」と験を担ぎトンカツを平らげた。この日は午前7時30分に起床し「なかなか寝れへんやったわ」と興奮を隠せなかったが、シーズン91勝の実力を発揮して快勝。「先制した後、効果的なホームランで有利に運びましたね」と目を細めていた。

 初戦を制し、アドバンテージ1勝含めて2勝0敗とした。あと2勝だ。「明日も、勝つだけ。全員で取りにいく」と山川。連勝で一気に王手をかける。 (井上 満夫)

 ○…ソフトバンクがアドバンテージの1勝を含めて2勝とした。日本シリーズを懸けたプレーオフ、CSで2勝0敗は過去に30チーム。そのうち敗退は17年の広島しかなく突破率は97%で、パに限れば100%。ソフトバンクのCSでは11、14、15、20年が該当。