アビスパ福岡U―18 14年ぶりプリンスL優勝はお預け トップ昇格内定の前田一翔は2アシストも「もっと決めきれるように」
◆プリンスリーグ九州1部第15節 福岡U―18 2―2 長崎U―18（12日、福岡フットボールセンター）
首位のアビスパ福岡U―18（18歳以下）は2度のリードを守れず引き分けた。直後の試合で大分U―18が勝利したため、福岡の今節での優勝はお預けになった。勝ち点37の福岡は残り2試合。3試合残している勝ち点28の2位大分U―18が未消化分の19日・飯塚高戦で引き分け以下に終わるか、次節11月23日に福岡が勝ち点を取るなどすれば、14年ぶり2度目の優勝が決まる。
12日はホームで勝利すれば自力で優勝が決められた一戦。100人近いサポーターが駆けつけて注目が集まった中でも選手たちは冷静に戦った。来季のトップチーム昇格が内定している前田一翔（3年）が前半35分、左CKを頭でそらしてアシスト。吉坂飛勇悟（同）が押し込んで先制した。後半20分に追いつかれたが、2分後に相手DFラインから抜け出した前田がシュート性のパスを出し、楢崎佑馬（同）が決めて再びリード。しかし同29分、長崎U―18の宮崎陽（同）に直接FKを決められた。
前田は終盤に決定機でヘディングシュートを放ったものの、枠の外。「プロだと最後に決めきる選手が上に行く。もっと決めきれるように練習をしないと」と悔しさをにじませた。
優勝は持ち越されたが、前節で2位以内が確定しており、12月に予定されているプレミアリーグ参入を駆けたプレーオフ（PO）への挑戦権は手にしている。久永辰徳監督はこの日、前田とともに来季のトップチーム昇格が決まっているサニブラウン・ハナン（3年）をベンチに入れなかった。コンディションに不安を抱えているため無理させなかったという。「POを見据えながら、メンバーを替えても勝つよと話していた。チームとして選手層を厚くすることも必要ですし、何よりトップチームの昇格を見据えていろんな選手にチャンスを与えられるので」と説明した。
タイトルはもちろん狙うが、久永監督は約1カ月のブランクを利用して個人の技術もチームの戦術ももう一段階上げたい考えだ。前田も「決定力はもちろん、クロスの方向に打つシュートも得意ではないので練習あるのみ」と誓う。この日途中出場ながら正確なクロスボールを供給してチャンスを演出した武本匠平（1年）は15日からU―16（16歳以下）日本代表の遠征に参加予定。それぞれがレベルアップし、勝負の冬に備えていく。（末継智章）
