宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、2025年度に予定していた深宇宙探査機「DESTINY+(デスティニープラス)」の打ち上げ断念を政府の会合で示した。探査機を搭載する小型固体燃料ロケット「イプシロンS」の開発中エンジンが昨年7月の試験で爆発事故を起こした影響で、大型ロケット「H3」に変更し、28年度に打ち上げる方針。

 イプシロンSは運用中の「イプシロン」の改良型。昨年7月、秋田県の能代ロケット実験場で行ったエンジン燃焼試験で爆発事故が起きた。破壊された実験場の再建と整備には27年度までかかる見込みで、鹿児島・種子島などの施設では必要な試験はできないという。