こんな進次郎内閣は絶対に嫌だ「岸田文雄増税担当大臣、鳩山由紀夫外務相、斎藤パワハラ担当大臣」逆ドリーム政権発足で令和にっぽん地獄行き

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 過去最多の9名が出馬した自民党総裁選。次の日本リーダーを決めるイベントに注目が集まっている。そんな中ですでに官僚たちは次期総理見据え「進次郎シフト」に動いている。そうなると気になるのは、閣僚の面々だ。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏が「こんな内閣は嫌だ」と思ってしまう、最悪パターンを解説する。当然読者の中には異論を持つ者もいるだろう。是非、自分が思うドリーム内閣、逆ドリーム内閣をコメントしてほしいーー。

岸田氏が増税担当大臣(新設)と財務大臣を兼任

 次の日本の総理大臣を決めるための自民党総裁選が始まった。総裁選は党のリーダーを選ぶ重要な選挙であり、党員や議員が投票して決定する。そして、自民党総裁に選ばれた者が次の日本の総理大臣として国政を担うため、選挙の結果は国の将来に大きな影響を与える。

 選挙は実際に結果が出るまでわからないが、議員票などの動向を踏まえると、進次郎氏が、石破茂氏、高市早苗氏らとともに次の首相になる可能性が高いと見られている。

 最強のチームは「ドリームチーム」と言われるが、今回は逆に日本を破滅に導く「逆ドリームチーム」を進次郎氏を総理大臣として組閣してみた。これを読めば、誰が大臣になるかによって日本の未来が大きく変わること、そして適材適所の重要性が理解できるはずだ。

 まずは岸田文雄首相だ。林芳正氏(官房長官)が旧岸田派を代表して総裁選に立候補しているが、惨敗は避けられず、進次郎氏、石破氏、高市氏、そして進次郎氏の後見人である菅義偉前首相とも距離があるため、総裁選後は非主流派に転じることが確実である。岸田首相は、異次元の少子化対策など効果のない政策に多額の税金を投入し、26か月連続で実質賃金がマイナスという戦後最悪の成績を残している。また、莫大な費用を投じたにもかかわらず太平洋戦争で役に立たなかった「戦艦大和」と同様に、効果が不明確な半導体製造に4兆円を投入している。岸田首相が進次郎逆ドリーム内閣で果たすべき役割は、増税だ。もし岸田氏が増税担当大臣(新設)と財務大臣を兼任すれば、実質賃金は再び悪化するだろう。

 内閣の司令塔でありスポークスマンでもある官房長官には、加藤鮎子氏(こども政策担当相)が適任だ。加藤氏はこれまで「子育て支援金」が明らかに「増税」であるにもかかわらず、「増税ではない」と繰り返し意味不明な答弁をしてきた。そして、総裁選に立候補している茂木敏充氏(自民党幹事長)によって、増税であることが暴かれた。

意味不明答弁の加藤鮎子官房長官、吉村洋文万博担当大臣

 実際、加藤氏は出生率にほとんど影響を与えないバラマキ政策を続け、国会での質疑を見ても、地元山形のインフラ整備に執着する守旧派政治家であることがわかる。子育て支援金の負担額についても、当初の月300円~500円から「1000円超もありうる」と発言を覆しており、答弁能力の低さは際立っている。進次郎逆ドリーム内閣の官房長官にぴったりだろう。

 大阪万博が近づいている。万博担当大臣には吉村洋文氏(大阪府知事)が適任だろう。経済波及効果が実際にはインチキに近い数字であることが発覚した。万博の経済効果では、万博が行われなくても得られるありとあらゆる経済活動まで万博の経済効果として計算されているのだ。また、万博のトイレが1箇所2億円もかかることが明らかになると、「若手デザイナーの魂を吹き込みたい」といった謎の主張をし始めたのも記憶に新しい。そうであれば、吉村氏がかつて批判していた京都市役所の「漆塗りエレベーター」(500万円)は、デザイナーの魂が込められているため、許容されるべきではないかとも思う。維新の支持率低下の原因の一つは、兵庫県知事の問題だけでなく、この大阪万博にあると考えられる。国民の税金を無駄にしたことをまず反省すべきである。

麻生にべったり河野太郎防衛大臣

 防衛大臣には、河野太郎氏(デジタル担当大臣)を推したい。実現すれば、再任となる。河野氏は、防衛大臣時代に、地球温暖化対策の取り組みとして、自衛隊の全国各地にある全ての施設に対して、可能な限り再生可能エネルギー比率の高い電力を調達させている。国民民主党の榛葉(しんば)賀津也幹事長は「再エネ率100%の基地や駐屯地が結構ある。その中(再エネ事業者)の一部は外国の会社が入り、華僑の方が大株主との実態も判明している。まさに国家安全保障、エネルギー安全保障に直結する問題だ。

 しっかりとこれこそ真相究明しなければならない」(3月29日の記者会見)で指摘している。河野氏は、麻生太郎氏の支持を得るために、あれだけしつこく攻撃を続けてきた原発政策、原発再稼働を総裁選前に突然、容認しはじめた。原発は危険だと、テロリストの標的にあうなどと吹聴していた話との整合性が問われる。もはや自分自身が何をしているのかも説明がつかない状態なのではないだろうか。

日本のトラウマ鳩山由紀夫外務大臣、斎藤厚労大臣

 外務大臣には、もはや日本国民にとってトラウマとなっている鳩山由紀夫氏(元首相)が最適だろう。「トラスト・ミー」と言いながら普天間問題を解決するどころか、逆に問題を悪化させたことは、日本外交の汚点として語り継がれるべきである。首相退任後も、世界中を巡り、日本政府の代弁者のように「土下座外交」を繰り広げている。その姿は象徴的だ。「悪夢の民主党」と言えば、東日本大震災時の菅直人氏の暴走が思い出されがちだが、実際には「外交の鳩山、内政の菅直人」という二つの災厄が同時に存在していたことを忘れてはならない。

 パワハラ問題を担当する厚生労働大臣には、兵庫県知事の斎藤元彦氏が適任であろう。深夜の対応を要求することや、付箋を投げる、机を叩く、自分を特別扱いしろといった行為は、永田町や霞ヶ関では日常的に行われているとされる。これが事実かどうかはさておき、斎藤氏がそのスケープゴートになってしまった印象があるため、この逆ドリーム内閣に入れることをためらったが、象徴的な意味合いからあえて選んだ。民間企業で許されない行為は、役所でも許されないという基本を再認識し、立て直してほしいものだ。斎藤氏の仕事の手腕は、誰もが認めるところである。

石破国交大臣が島根・鳥取県民ですら経済効果を疑う「山陰新幹線」実現へ

 日本全国のインフラ整備を所管する国土交通大臣は、石破茂氏であろう。島根県民と鳥取県民ですら、その経済効果を疑っている「山陰新幹線」の強烈な推進者だ。人口が日本で最も少ない地域から、人口が日本で2番目に少ない地域へと走らせる荒唐無稽な計画によれば、時速はせいぜい120キロ、単線の新幹線なのだという。そんなもの走らせてどうするのかさっぱりわからないが、これが世論調査で最も人気のある「次の首相候補」だというから驚くばかりだ。そんなに新幹線作りたいなら、鳥取県や島根県だけのお金でやればいいのだがもちろんそんなカネはない。つくったあとの維持費のことも考えていない。鉄道オタクが権力を握る怖さを思い知るべきだろう。

高市農水大臣が日本の農業をぶっこわす

 保守派に人気の高い高市早苗氏も、愛国感情に満ちた良い政策を打ち出しているように見える。しかし、9月9日の立候補表明記者会見で宣言した「食料自給率100%を限りなく目指していく」という発言は、現実的に絶対にやってはいけない政策である。過去、民主党政権が「食糧自給率50%」を目標に掲げた際、自民党は「不可能な数字を挙げて国民を愚弄するな!」と批判していた。自給率100%という目標もまた、達成不可能なものであり、国民を愚弄していることに他ならない。

 アメリカやカナダ、フランスの自給率が100%を超えているのは、彼らが輸出を行っているためであり、日本のように60%以上を海外に依存している国で同じ目標を掲げるのは非現実的だ。いくら農家に補助金をばらまいても、これまで自給率が上がらなかった事実を無視してはいけない。

 自給率100%を達成しているのは北海道、秋田、山形、青森、新潟、岩手の6道県のみであり、これらの地域のように過疎化が進めば達成は可能かもしれないが、それは現実的ではない。「目指す」と言えば何でも許されるわけではなく、人口減少に大きく左右される自給率を目標にすること自体が愚かな取り組みだ。日本の人口が減れば自給率は自然に上がるため、むしろ何もしなくてもいいという結論に至る。

コバホーク経産大臣が日本を焼け野原に

 同様に、経済安全保障という美名のもとで行われている半導体製造への莫大な補助金(現時点で3.9兆円)も、あからさまな無駄遣いだ。特に北海道のラピダスは需要を見出せず、完全な無駄遣いに終わる可能性が指摘されている。もう一つの半導体補助金が投下された熊本では好景気が報告されているが、過疎地域に兆円単位の税金が支出されれば、一時的に景気が良くなるのは当然だ。日本は過去に半導体産業で大きな失敗をしている。

<「日の丸半導体復権」を目指して1999年に発足した「エルピーダメモリ」は、電機メーカーの半導体メモリー事業を統合したが、経営難に陥り、300億円の公的資金による出資を受けても好転せず、2012年に会社更生法の適用を申請。史上最大の負債総額4480億円で破綻した。また、「日の丸液晶」を目指した「ジャパンディスプレイ(JDI)」も経営難が続いている。>(東洋経済オンライン、4月28日)

 どうして今回の半導体政策がうまくいくのか、政府は誰も説明していない。「失敗を恐れていては何も進まない」といった強がりを言うのではなく、きちんと根拠を示すべきだ。この政策を推進してきた小林鷹之氏(経済安全保障担当大臣)は、経済産業大臣になれば、日本中でこのような不明瞭な税金の浪費が繰り返されるだろう。結果は焼け野原だ。

これが逆ドリーム内閣だ!

逆ドリーム内閣の顔ぶれ

小泉進次郎 内閣総理大臣 岸田文雄 増税担当大臣(財務大臣兼任) 加藤鮎子 官房長官 鳩山由紀夫 外務大臣 河野太郎 防衛大臣 吉村洋文 万博大臣 斎藤元彦 パワハラ担当大臣(厚生労働大臣兼任) 石破茂 国土交通大臣 高市早苗 農水大臣 小林鷹之(コバホーク) 経済安全保障担当大臣(経済産業大臣兼任)

 こうした日本を危機に追い込む「逆ドリーム内閣」を組閣すれば、ほんの少しのことで日本は破滅へと突き進んでしまうだろう。進次郎総理が誕生した際には、バラマキ志向の強い政治家と嘘つきを入閣させないことが必要だ。