大人になった今になって、ふと“給食”が食べたくなるときがある。きな粉が「これでもかッ!」というほどまぶされた揚げパンや、妙に粉っぽいカレー・・・。そういえば余った冷凍みかんを巡って、クラスメイトと熾烈な争いを繰り広げたっけ(遠い目)。

 こんなノスタルジックな気持ちに拍車をかけるのが、『これが名古屋の給食だがや〜』というブログ。管理人は名古屋の小学校に勤める現役栄養士であり、日々の給食のメニューを画像とともに紹介している。ミルクロールパン・牛乳・フライビーンズ・・・そして、牛肉のワイン煮。「へぇ〜今の給食はシャレてるなぁ」なんて感心していたところ、このブログを見たとある20代後半の方が「私の時代よりおかずが1品少ないのでは」と疑問に思ったそうだ。

 私の記憶ではブログと同じく、2品だったと思うのだけれど・・・。気になったので、さっそくアンケートを行ってみたぞ。

 すると、「おかずは2品だった」が全体の7割。「い〜や、おかずは3品だった!」と答えたのが3割にも上る結果となった。後者には、私と同年代の回答者も含まれている。ということは、年齢によって違いがあるわけでもなさそう。コレって一体どういうこと??

 「おかずが少ない? う〜ん、そんなことはないと思いますよ。脱脂粉乳にコッペパンだけ、といった戦後の貧しい時代から比べたら、“増えている”ということはあるでしょうけど、“減っている”ということはないですね」(給食関連施設 職員)

 え〜、でも現に「おかずが一品少ない!」と主張している人がいるんですが・・・。

 「給食の献立は各学校によって異なるものなんですよ。まず文部科学省で『1日の栄養所要量の3分の1を摂取できるようにする』といった基準が決められていて、それに見合った献立を栄養士たちが組んでいるのです」(同)

 おかずのメニューは、各学校の生徒の男女比で変わるものらしい。年齢や性別によって、一日に必要な栄養必須量も変わってくるんだそうだ。さらに地域によっては例外もあり、“統一献立”なる政策をとっているケースもあるとのこと。各月に教育委員会の職員や栄養士の代表が話し合い、その地域での献立を決定するのだとか。

 つまり、おかずの品数に特にきまりはない、ということ。私たち一人ひとりの成長に合わせて、栄養士さんたちが作ってくれていた給食――。あの愛情の味、久しぶりに食べてみたいと思いませんか? (安田明洋/verb)

■関連リンク
これが名古屋の給食だがや〜 - 文中で紹介したブログ