左サイドでスタメン出場となったMF三笘薫【写真:高橋 学】

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【専門家の目|栗原勇蔵】CFに絶対的存在が不在のため、サイドは三笘のような個で打開できる選手が必要

 森保一監督率いる日本代表は6月2日、キリンチャレンジカップで南米のパラグアイ代表と対戦し、4-1で勝利した。

 MF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)は左ウイングで先発し、ゴールを挙げるなど攻撃で存在感を発揮。日本代表OBの栗原勇蔵氏も、「僕が監督なら100%使う」と“主力昇格”に太鼓判を押している。

 4-3-3の左ウイングで先発した三笘はドリブルで何度も相手を揺さぶり、前半からチャンスメイク。日本は同36分にFW浅野拓磨(ボーフム)のゴールで先制、約6分後にMF鎌田大地(フランクフルト)がヘディングで2点目を挙げリードして前半を終えると、後半14分にパラグアイに1点を返されたが、1分後に三笘が魅せる。

 中盤で鎌田がボールを奪うと、後ろから上がってきたMF原口元気(ウニオン・ベルリン)へ。原口はペナルティーエリア手前で中央へ切れ込むと、左でフリーで待っていた三笘にスルーパス。絶妙なファーストタッチで一気に加速すると、左足で相手GKの上を通すループ弾を決めた。

 後半37分までプレーし、存在感を発揮した三笘に関して、元日本代表DF栗原氏も左サイドのレギュラー争いで大きなアピールをしたと見ている。

「左サイドのメンバーがハマり切っていない状況下で、あれだけのパフォーマンスができる三笘以外の選択肢が正直思い浮かばない。今はセンターフォワードに大迫(勇也)がいなくて、南野(拓実)も絶対的な存在ではない。そういう状況では、サイドで崩さないとチャンスを作れないので、自分で打開できる選手を使ったほうがいいと思います。サイドが生きると、インサイドハーフの鎌田(大地)も生きてくる。三笘のドリブルに対して、南米の選手がついていけないのだから、欧州の選手はもっとついていけない。守備のこと、全体のバランスのことを考えると、森保監督の中では絶対的な存在ではないかもしれないですが、僕が監督なら100%使います。スピードはもちろん、勝負強さも考えると使わざるを得ないと思います」

 6月6日に国立競技場で行われる王国ブラジル戦で、三笘がどれだけハイパフォーマンスを見せられるかにも期待が高まる。(FOOTBALL ZONE編集部)