「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」 https://tfm-plus.gsj.mobi/news/btmCTxPpMQ.html。今回の漢字は「感じる」、「感想」「感触」の「感(カン)」。いにしえの人がこの字にこめた想いを感じながら、その成り立ちをひもといてみましょう。

(TOKYO FM「感じて、漢字の世界」2019年3月16日(土)放送より)



「感」という字の上半分(咸)は、「カン」または「ゲン」と読む文字です。

独自の視点で漢字の成り立ちを読み解いた白川静氏は、この部分を二つに分けて考えます。

ひとつは、十二支との組み合わせで使う十干の五番目「戊(つちのえ)」。

「戊辰戦争」の「戊(ボ)」とも読む文字ですが、これは鉞(まさかり)の形を表しています。

そしてもうひとつは、その中に書かれた「口」の形。

これは白川文字学でおなじみの「サイ」と呼ばれる「器」のことで、神への祈りや誓いの言葉を入れる神聖な箱を意味するとされています。

その二つを組み合わせた「感」という字の上の部分は、聖なる器の上に鉞を乗せた様子。

これは器の中の祈りを閉じ込め守ることを意味しています。

いにしえの人は、そうしておくと夜中に神がひそかにやってきて、その祈りに応えてくれる、と考えていたといいます。

つまり、この漢字で使う「心」とは、神の御心のこと。

神がその祝詞を見て「心をうごかす」様子が、「感じる」という漢字の成り立ちなのです。

まわりの音を雪がすべて吸収し、しん、と静まり返った冬の夜。

でも、めぐりくる春は、世界ににぎやかな音を連れてきます。

ちろちろちろと、雪溶けの水。

さわさわさわ、あたたかな風にゆれる新芽。

小鳥や猫たちは、恋に焦がれてせつない声で鳴いています。

ではここで、もう一度「感」という字を感じてみてください。

知識を吸収し、頭で考える時代にひと区切りつく、卒業の季節。

聞く、見る、嗅ぐ、触れる、味わう。

自分のからだと感覚を使って世界を感じることで、心は活き活きと動きだし、自分の人生を生きる実感もわいてきます。

ものごとの本質をつかむことができる第六感の回路も開くかもしれません。

自らの感覚を信じて歩き出すあなた。

その姿に心を動かされた神さまが、未来を切り拓く力を、授けてくれることでしょう。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。

その想いを受けとって、感じてみたら……、

ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献

『常用字解 第二版』(白川静/著 平凡社)

『五感生活術 眠った「私」を呼び覚ます』(山下柚実/著 文春新書)

3月23日(土)の放送では「曙」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。



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聴取期限 2019年3月24日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>

番組名:感じて、漢字の世界

放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット

放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜7:20〜7:30(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)

パーソナリティ:山根基世

番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/kanji/