タイ株が大きく下落。 米国株相場も一進一退が続く

9月の外国株相場は、国によってまちまちだが、全体的には8月に引き続き軟調に推移した。

米国のNYダウは、FRB(連邦準備制度理事会)による利上げの行方に翻弄されながら、ほぼ横ばいで推移。

中国本土の主要株価インデックスである上海総合指数は、好材料が見当たらず、9月の騰落率は、月間の下げ幅としては1月以来の大きさとなる2・6%安と振るわなかった。

その一方、中国本土企業も多数上場する香港のハンセン指数は、香港と中国・深センの株式市場で 11 月にも相互取引が始まるとの見通しが強まったことから、中国本土からの資金流入が拡大し、月間で1・4%上昇した。

そのほかの主な外国株市場の9月の騰落率は、ブラジルのボベスパ指数が0・8%高、インドのSENSEX指数が2・1%安、タイのSET指数が4・2%安などとなった。 タイ株の大幅な下落は、タイ南部で8月に爆弾事件が頻発するなど、地政学リスクが高まったことも少なからず影響しているようだ。

米国のNYダウは、9月2日に発表された8月の雇用統計が市場予想を下回ったことから、利上げは遠のいたとの楽観的な見方とともに上昇。しかしその後、FOMC(連邦公開市場委員会)メンバーらの利上げ時期をめぐる発言が交錯したことから、一進一退の状況が続いた。

9月 21 日には、FOMCで利上げが見送られたことが好感されてダウも上伸したが、その後は欧州市場で経営悪化が懸念されるドイツ銀行の株価が急落したことに引きずられ、軟調に推移した。

また、大統領候補者の第1回テレビ討論会が行なわれた翌 27 日には、就任後の経済政策が予想しやすいクリントン候補が優勢だったとの評価からダウ平均が上伸している。

11 月の投開票に向けて、大統領選挙の行方も米国の株価に大きく影響しそうだ。