スマートフォンアプリで現在地にタクシーやハイヤーを簡単に呼べる配車サービス「Uber」は、ドライバーの運転品質の評価に、ドライバー側のデータである走行データを活用していることが公表されました。これによって、乗客からの一方的な評価だけでなく多角的に走行サービスの品質評価ができるそうです。

Curb Your Enthusiasm | Uber Global

https://newsroom.uber.com/curb-your-enthusiasm/

Uber monitoring drivers in US in attempt to flag dangerous driving | Technology | The Guardian

http://www.theguardian.com/technology/2016/jan/26/uber-monitoring-drivers-us-passenger-safety-houston

Uberでは乗客は、運転手の印象やマナーなどを含む運転評価を配車サービス利用後に行うことで、ドライバーの運転状況を「乗車レビュー」という形で評価し、サービス品質を向上させる仕組みが取り入れられています。



しかし、乗車レビューはあくまで乗客による評価で、それが正しいかどうか、その評価の妥当性を判断できないため、例えばいわゆる「クレーマー」による誤った評価によってドライバーの評価を誤る可能性があるとUberは考えています。

そこで、UberはドライバーのスマートフォンのGPS、加速度センサー、ジャイロセンサーなどのデータを分析して、乗客による運転評価が正しいかどうかを判断しているとのこと。例えば、乗客が「スピードを出しすぎていて怖い」という評価をした場合、運転時の各種データから走行速度を計測して乗客の評価が妥当かどうかを判断し、仮に妥当な意見であればドライバーに警告し、評価が妥当ではないと判断した場合は、ドライバーに対する否定的な乗客の評価を採用しないという運用をするそうです。

このドライバーの走行データを解析して運転品質の評価に活用する試みは2015年後半からスタートしていますが、UberはThe Guardianに対して「ユーザーからの苦情があり必要と判断した場合にのみデータにアクセスすることがある」と話すのみで、どのドライバーの走行データを追跡しているのかについては明らかにしなかったとのこと。



By Alper Çuğun

なお、運転品質を高めサービス品質の向上に燃えるUberは、他にもさまざまなテストを実行しています。例えば、各種センサーの計測データからドライバーの運転が「荒い」と判断された場合、即座に注意や警告をテキスト表示するパネルをダッシュボードに搭載する計画もあるそうです。

ハイテク企業のUberは自動運転カーを配車サービスに利用するという壮大な計画があることが噂されていることに対して、Uberの最高セキュリティ責任者のジョー・サリバン氏は、「自動走行できる自動車は一晩で出来上がるものではありません。私たちは、自動運転カーの時代が来る前に、道路を安全にするためにできる多くのことがあります」と述べています。