中国メディアの観察者網によると、中国海軍トップの呉勝利同軍司令員(司令官)は20日午前、米海軍のジョン・M・リチャードソン作戦部長とテレビ電話で会談し、スプラトリー諸島(南沙諸島)に飛行場を建設したことについて、軍事施設化を求めるものではないが、防御施設を強化すると述べた。(イメージ写真提供:(C)sh_lisong/123RF.COM)

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 中国メディアの観察者網によると、中国海軍トップの呉勝利同軍司令員(司令官)は20日午前、米海軍のジョン・M・リチャードソン作戦部長とテレビ電話で会談し、スプラトリー諸島(南沙諸島)に飛行場を建設したことについて、軍事施設化を求めるものではないが、防御施設を強化すると述べた。

 呉司令官は中国が2015年になり、中国が南沙諸島のファイアリー・クロス礁(永暑礁)周囲を埋め立てて建設した滑走路に、当局がチャーターした民間旅客機の離発着を繰り返したことについて、「飛行場施設が民間機の標準に適合しているどうかの試験。中国が国際的に承諾している責任と義務をよりよく履行し、さらに多くの国際的公共サービスを提供するためだ」と主張した。

 民間旅客機には運航上の安全性を高めるため、「エンジン1発が故障した場合でも一定時間(機種により異なる)以内に着陸できる場所を確保している航路を飛行せねばならない」との国際的定めがある。

 そのため、地上に空港が少ない海上や砂漠、大山地などを飛行する場合、航路の制約が大きくなる。中国は永暑礁で建設した飛行場について、自国以外の航空会社が運航する旅客便についても緊急用の着陸場所として提供すると表明。同飛行場の存在によって、民間旅客機の航路選択の自由度が増すので、飛行場建設は外国の航空会社にとっても利益になると主張している。

 呉司令官は南沙諸島で進めているさまざまな建設について「必要な防御施設を作っているだけで、軍事施設化ではない。ただし、個別の国家とメディアが悪意をもって騒いでいる」と主張。

 さらに、改めて「軍事施設化を求めているのではない」と述べた後に、「防御施設がどのような規模になるのかは、われわれが受ける脅威の程度によって決まる。中国海軍には、南沙諸島と岩礁の主権と安全を守る決意も能力もある」と述べた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)sh_lisong/123RF.COM)