By LoKan Sardari

NSAによるスパイ工作をたびたび暴露してきたエドワード・スノーデン氏がCIAの機密文書をThe Interceptに提供し、その文書からAppleやMicrosoftが長期間にわたってCIAの調査ターゲットになっていたことが明らかになりました。

TCB Jamboree 2012 Invitation - The Intercept

https://firstlook.org/theintercept/document/2015/03/10/tcb-jamboree-2012-invitation/

iSpy: The CIA Campaign to Steal Apple's Secrets

https://firstlook.org/theintercept/2015/03/10/ispy-cia-campaign-steal-apples-secrets/

The Interceptが公開している機密文書の一部には、CIAの情報セキュリティ研究員たちが一同に介して「Jamboree」と呼ばれる秘密の会合を開いていたことが記載されています。Jamboreeは記載されているだけでも7年間に渡って毎年開催されており、CIAの研究員が個々の成果を発表したり、情報を交換したりする機会として設けられていたようです。

機密文書を入手したThe Interceptによると、Jamboreeを開催している主な目的は、家庭で使用されるさまざまなタイプの電子機器が搭載しているセキュリティ対策の調査。Jamboreeで調査活動を発表したCIA調査員の中には、Appleのデバイスに保存されているデータを暗号化するためのセキュリティキーを調査していた調査員の存在が明らかになっており、Appleがモバイル端末を通して世界中のユーザーにモバイル向けのセキュリティシステムを供給することを阻止しようというCIAの目的が垣間見えます。



By John Karakatsanis

また、機密文書には、Jamboreeに出席したCIAの調査員がAppleのXcodeの改造バージョンを開発したことが記載されていて、XcodeもCIAの調査対象であったことが判明。Xcodeはソフトウェアを開発するためにAppleが配布しているツールで、主にiOS向けアプリの開発で使用されており、The Interceptは「改造したXcodeを使えば、CIAはXcodeを使って開発されたアプリをインストールしているデバイスからパスワードを盗んだり、メッセージを傍受できたりする可能性がある」と指摘しています。

さらに、「OS Xのアップデート機能を改造して、アップデート時にデバイスのキー入力を監視して記録するソフトウェアのキーロガーをインストールさせることに成功した」とJamboreeで発表した調査員もいました。また、Microsoft Windowsに搭載されているデータ暗号化機能のBitLockerについて報告を行った調査員の記録が機密文書に残っていて、CIAの調査がAppleだけではなくMicrosoftにも及んでいたことが分かっています。



By Esparta Palma

なお、The InterceptはCIAおよびAppleに今回発覚した件に関して連絡をとっていますが、記事執筆現在では回答を得られていないとのことです。