By Chris Halderman

1日の長さは通常24時間ですが、2015年7月1日はうるう秒(閏秒)が挿入されることで通常より1秒長い「24時間1秒」になります。うるう秒とは、現行の協定世界時(UTC)と地球の自転のズレを調整するために追加・削除される時間のことで、2012年7月1日に実施された際にはインターネット上でうるう秒バグが発生しました。

INTERNATIONAL EARTH ROTATION AND REFERENCE SYSTEMS SERVICE(IERS)

http://hpiers.obspm.fr/iers/bul/bulc/bulletinc.dat

フランスのパリに本部を置く国際地球回転・基準系事業(IERS)は、「うるう秒」を2015年6月30日(世界標準時)に実施することを発表しました。これにより2015年6月30日は23時59分59秒の後に23時59分60秒が挿入されることになり、日本時間でいうと2015年7月1日8時59分59秒の後に8時59分60秒が挿入され、その後に9時00分00秒になります。

うるう秒は1972年に導入され、記事執筆現在までに25回実施されました。前回実施された2012年6月30日(日本時間2012年7月1日)にはインターネット上でうるう秒バグが頻発しました。

例えば、掲示版のRedditが「うるう秒によりJavaで構築されたデータベースJava/Cassandraに問題が生じている」とツイートしたり、Firefoxで知られるMozillaが大規模データの分散処理を支えるJavaソフトウェアフレームワーク「Apache Hadoop」にバグが発生したことを知らせるレポートを掲載したり、この他にもFourSquare・Yelp・LinkedIn・4chanといったサービスで障害が発生したという報告が相次ぎました。

前回うるう秒が実施された際に時計の表示がどうなったのかは下記のムービーから確認可能です。

Leap Second June 2012 (watch Mac time also) - YouTube

アメリカの現在時間を示す公式サイトの時間が表示されていて、時間は「23時59分59秒」を示しています。



時計は「23時59分60秒」という見慣れない時間を表示した後……



「00時00分00秒」を表示しました。これと全く同じ現象が日本時間の2015年7月1日に発生します。



2012年には多くのインターネットサービスが混乱に陥りましたが、独自の解決策を生み出したGoogleは障害を回避しました。Googleが採用したのは「leap smear」という方法で、NTPサーバにアップデートの度にミリ秒を追加していくというもの。Googleはうるう秒の実施に先立って対策を練っていたというわけです。

うるう秒の実施でインターネットにどのような障害が発生するのかは全く予想できないので、ありとあらゆる事態に備えて準備を進めておいたほうがよさそうです。