日韓で返還を巡って議論となっている対馬・観音寺の仏像盗難に関連して、韓国から祈とう師200人が20日、対馬を訪れることが分かった。これに先駆けて14日には、仏像をもともと所有していたと主張する、韓国忠清南道瑞山市の浮石寺の僧侶ら4人が観音寺を訪れたが、門前払いとなっている。複数の韓国メディアが報じた。

 長崎県対馬市の神社や寺から盗まれた仏像は、平成24年10月に2体が韓国で回収され、今年1月に韓国国内で窃盗団が摘発された。条約に基づき、速やかに返還されるとみられたが、韓国側は、この仏像が日本に略奪された疑いが強いとして返還を拒否。韓国の裁判所も日本側への返還を差し止めるべきとの判決を言い渡した。

 韓国メディアは、「まじない師200人が20日に日本の対馬に行く理由は?」、「まじない師200人、対馬に行く理由が…」などの見出しで伝えた。

 「観世音菩薩坐像」問題に関連して、仏教界に続き韓国の祈とう師ら200人が20日、対馬を訪問するという。巫俗信仰の保存を目的に作られた大韓敬神協会が主導した。同協会は「両国民の信仰の対象である仏像が論難に包まれているが、国民が受けた衝撃をなだめ、祀られた仏像がその土地を離れたために起こる憂慮を慰霊祭で解決しようと訪問を決めた」と明らかにした。

 これらの訪問の目的が知られると、全国各地の祈とう師200人が大挙して参加の意思を表明したという。

 同協会の金英広報局長は「浮石寺仏像の所有権の問題は、理に合うように解決することを期待する。今回の祈とう師の訪問は、両国の対立を民間団体の交流の拡大を通じて解決しようという意味もある」と話した。祈とう師らは20日、対馬で慰霊祭を執り行う予定だという。(編集担当:李信恵・山口幸治)