2011年08月31日配信のメルマガより抜粋

 ストライキで開幕戦が延期になったリーガだが、先週末の第2節からようやく開幕。しかし、トラブルにこと欠かないスペインサッカー界は日々新たなテーマを提供してくれており、その1つがシーズンイン直後に見えた「2強18弱」化の促進だ。

 開幕前から「バルセロナとレアル・マドリードの2クラブの優勝争い」とは言われてきたものの、いきなりレアル・マドリードがサラゴサにアウエーで0−6と大勝。バルセロナはUEFAスーパーカップから中2日、相手が昨季4位でCL出場チームのビジャレアルにもかかわらず5−0で快勝。

 試合後、ビジャレアルのフェルナンド・ロイグ会長が「これ(=2強とそれ以外の差があまりに大きすぎること)はスペインサッカーにとって良くないことだが、現実だ。もし2クラブだけの試合を望むのであれば、そうすればいい。今後3、4年でこの状況を変えようとするか、サッカーを殺すかどちらかだ」と発言したことでくすぶっていた論争に火がついた。

 ロイグ会長は、カンプ・ノウでの大敗に怒ったわけでも落胆したわけでもない。彼のクラブ経営や発言はバレンシア在住時代からよく見聞きしているが、常に冷静だ。その彼とセビージャのデル・ニド会長はここ数年一貫してリーガがテレビ放映権を一括管理できていないことで2強とそれ以外の経済格差が開き、結果的にチームとしての格差となり、リーグとしての魅力を損なっている現状に警告を鳴らしてきた。

 リーガでは、各クラブが個別にテレビ放映権を管理・売却している。バラ売りすれば、当然ながらバルセロナ、レアル・マドリードのような人気クラブと残留争いをするようなスモールクラブの間で大きな値段の差がつくが、これがとんでもない数字となっている。

 現時点で、2強が年間1億4000万ユーロ(約154億円)ものテレビ放映権料を得ているのに対して、3番手争いのアトレティコ・マドリード、バレンシアで推定4000万ユーロ(約44億円)、セビージャとビジャレアルは2500万ユーロ(約28億円)ほどに留まる。

 確かに他国リーグを見れば2強が得る年1億ユーロ以上のテレビ放映権料は破格の値段なのだが、問題は「リーガ・エスパニョーラ」としての放映権料がプレミア、ブンデス、セリエAより低く、調査機関によってはリーグ・アンよりも下となっていることだ。各国が放映権料を一括管理し、注目度やクラブ規模のみならず、シーズン成績に応じた形できっちり分配していることでプレミアリーグの場合、昨季優勝したマンチェスターUと降格争いをする下位チームとの間で年間の放映権料に3000万ユーロもの開きがないと言われている。

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