最先端科学の“美”を写真に 科学フォトグラファー吉岡さとる(前編)

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このかっこいい機械は何?と、疑問に思った方も多いでしょう。
実はこれ、加速器(SLAC国立加速器研究所 アメリカ)なんですが、でっ、それ何?なんとなく聞いた事あるけど何の機械だっけ?と、ピンとこない方がほとんどではないかと思います。

簡単に説明すれば、加速器とは陽子や電子などの大変小さな粒子を光の速度近くまで加速させ、非常に高いエネルギーの状態にする機械です。高エネルギー物理学研究所では、この機械によって作り出された高エネルギーの粒子を正面から衝突させる実験をし、素粒子と言う物質を構成する最小限の粒子が何であるかを解明しています。

今回は、その加速器の美しさに魅了され、撮影し続けている写真家、吉岡さとるさんにお話を伺いました。吉岡さんは、注目のフォトグラファーの作品を集めた写真集『写真年鑑2009』にも掲載される、世界で活躍する日本人アーティストの一人ですが、加速器の何処に魅力を感じ、その目にはいったい何が見えているのか? “美”の観点から科学を捉えた世界に迫ってみたいと思います。

20100225_02—写真家になったきっかけは?

1989年、私は当時、アメリカ、カリフォルニア州の大学で、完璧な露光や完璧なプリント等々を教えられていたのですが、何処かその様な写真に興味が持てていなかったんです。そんな時、ドイツの写真雑誌「European Photography」をサンディエゴの写真美術館の本屋で見つけました。そこでは若い芸術家達が写真を写真としてではなく、現代アート作品として自由に制作し、発表していたんです。それに感動して・・・。
その雑誌との出会いは運命的だったと思うし、アーティストとしての写真家になったきっかけです。

—加速器との出会いは?

アメリカに住んでいた頃のルームメイトが、加速器の開発研究をしていて、それを見に仕事場訪問に行ったのが初めです。加速器自体の迫力や美しさも、もちろん衝撃的だったんですが、そこで「この場所で宇宙の誕生の謎を解き明かしている」と聞かされ、凄く驚きました。

—その時、加速器の魅力に触れたという事ですか?

はい。機能を追求し尽くした機械が見せる究極の機能美。そして、その究極の機能によってもたらされる究極の事実。例えば、つくば市にある加速器機「KEKB」では物質と反物質の究極構造の謎が解明され、小林博士、益川博士がノーベル物理学賞を受賞したりとか。この揺るぎない歴史をアートとして残したいと、単純にそう思いましたね。

後編に続く

(Written by 沢岡ヒロキ)

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