映画『サイコ』に登場するベイツ・モーテルにインスパイアされたアート作品。英美術作家コーネリア・パーカー氏作。米ニューヨークメトロポリタン美術館屋上庭園で(2016年4月18日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】「ノーマン(Norman)」──これは新しいホラー映画のなかの話ではない。米研究者らにによってこのほど公開された初の「サイコパス人工知能(AI)だ。アルゴリズムがどのようにして構築されるのかを一般の人にも分かりやすく説明し、AIの潜在的リスクを広く知らせることが狙いだという。

 ノーマンを公開した米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らによると、これは「機械学習で偏ったデータが使用された場合にAIが示す問題行動のリスクに関するケーススタディー」なのだという。

 研究に参加した科学者らは「機械学習の中心的な考え方のひとつは、機械に学習アルゴリズムを教えるために使用するデータが、その動作に大きく影響するということだ」と語る。AIアルゴリズムが偏っている場合、その原因はアルゴリズムそのものではなく、使用されたデータの偏りにあることが多いという。

「ノーマン」はアルフレッド・ヒッチコック(Alfred Hitchcock)監督の1960年の映画『サイコ(Psycho)』に登場する殺人鬼、ノーマン・ベイツ(Norman Bates)の名にちなみ付けられた。

 ノーマンにはまず、ソーシャルニュースサイトのレディット(Reddit)に掲載された「死につつある人」の画像についての短い説明文だけが与えられた。次に、ロールシャッハ心理テストのようなインクの染みのイメージを見せ、その答えを従来通りに学習させたAIの答えと比較した。

 結果は控えめに言っても恐ろしいものだった。従来のAIには「2人の人が互いに近寄って立っている」ように見えるイメージが、ノーマンには「窓から飛び降りる男の人」に見えたのだ。さらに、ノーマンが「叫ぶ妻に射殺された男性」と判断したものは、他のAIには「傘を持つ人」に見えていた。

 これらのイメージに対するノーマンの反応は、ウェブサイト「norman-ai.mit.edu」で見ることができる。インクの染み10例と両AIの反応とが紹介されているが、ノーマンの反応はどれも恐ろしいものとなっている。

 同サイトでは、一般ユーザーもインクの染みでノーマンをテストすることができるようになっている。またユーザーの回答を送信して「ノーマンの自己修正を助けるよう」促している。
【翻訳編集】AFPBB News