アジアNo1のOPPOがカメラフォン「R11s」を使って行う日本市場への戦略意図とは

写真拡大 (全12枚)

スマートフォンにおいて、アジアでナンバーワンの市場シェアを持つOPPOが日本市場に参入し、カメラフォン「R11s」を2月9日に発売した。

OPPOがアジアでシェアを獲得した理由は、
・広告展開によるブランディング
・本体デザイン
・カメラ機能
がある。

日本では全くと言っていいほど、知名度が低いOPPOは広告展開によるブランディング、そしてイベントなどのタッチポイントの増やすことがまずは重要だ。

現在、公共施設などでのイベントの開催は行っていないが、R11sを2週間体験できるキャンペーンをWeb上で実施している。
最終申込みは4月6日まで、キャンペーン当選者は貸出期間中に使い心地やカメラ性能を試すことができる。

この試みは、R11sに触れて貰うことがプロモーションの一つでもあるが、ユーザー目線によるR11sの使用感や不満点をリサーチすることも視野に入っているのだろう。

というのも、OPPO japanは営業やマーケティング業務を中心とした人員を好待遇で募集しているからだ。このことは、ニュースにもなっている。
これは、日本でのマーケティングをグローバルマーケティングにも活かし、アジア以外でのシェア拡大を狙うための施策ともみられている。

日本に投入するR11sは、
・デュアルカメラ
・AIによるビューティーセンサー機能を搭載したセルフィー機能
など、ユーザーニーズに最適なミドルレンジのスマートフォンである。

画面は、
最近のトレンドであるアスペクト比18:9の6.01インチFHD+(1080×2160ドット)AMOLED(有機EL)ディスプレイだ。大きな画面と発色の良さが特徴で、動画視聴にも最適である。

CPUには、
・Qualcommのミドルレンジ「Snapdragon 660」

メモリには、
・4GB RAM
・64GBの内蔵ストレージ
を搭載する。

Snapdragonは動作の安定性があり、4GBのRAM搭載でタスク切り替えを快適にこなせる実力派モデルだ。

価格はオープンながら57,780円(税抜)と、ボリュームゾーンと呼ばれる2万円台よりも高価なスマートフォンである。




メタル製のボディは高度な加工技術によって、単なる角が丸いスマートフォンとは異なる独自のデザインを築いている。「クレセントアーク」形状と下面をフラットにすることで、小指を掛ける持ち方をしていても指に対する負荷を軽減し持ちやすい印象を受けた。




背面のカメラは、
2000万画素と明るいF1.7のレンズをもつ1600万画素のカラーイメージセンサーを搭載。日中および軽いシーンでは高精細な2000万画素のカメラと、夜景に強いF1.7レンズと高感度に強い1600万画素に自動的に切り替わる。




画作りはシャープネスを程よく効かせたキレのある仕上がり。それもその筈、2000万画素のカメラを1600万画素に縮小しているため、画質的に余裕がみられる。




また、2000万画素から2倍相当に切り出したデジタルズームも、画面をタッチすることで簡単に切り替えることができる。画質は若干線が太くなるが、十分な画質を保っている。縮小した状態でWebサイトに掲載するなら一切気にならない。




特に色再現は、彩度に少し演出を加えているのか発色が良く、その解像感と相まって被写体の立体感や細部までしっかりと描写する




2つのレンズで奥行を測り、ボケ効果を生み出す「ポートレート」モードも搭載する。ポートレートモードにはバストアップを撮影するデジタルズームモードがデフォルトで機能する。ボケの量は元の広角レンズに合わせたあまり大きすぎないボケ具合である。




参考までに、ファーウェイの「P10」の「ワイドアパーチャ」機能で効果を最大にして撮影したものがこちら。特徴的な大きなボケと輝度差がある部分は点光源の玉ボケとなる。

R11sのポートレートモード撮影するのもは意外と楽しい。ピントが合った位置以外をぼかしてくれるため、立体的な写真に仕上がるのがその理由だ。







また、ポートレートモードとカラーフィルターを組み合わせて印象的な写真に仕上げることも可能だ。




夜景撮影は、シャッター速度の低下から手ブレをしてしまうこともあった。




画作りは、カラーノイズおよび輝度ノイズを上手く抑えた滑らかな画質である。特にカラーノイズを抑えると色が濁ってしまいがちだが、そうならないよう調整しつつ綺麗な色を再現している。

一方で、ノイズリダクションがまんべんなくかかっているため、細部のディテールがつぶれている。とはいえ、色再現と大まかなディテールの残し方と言った最終出力の画作りのバランスが良いためぱっと見の印象は悪くない。この写真を見る限り、ディテールの消失が気になることはないだろう。夜景でも色の演出が上手いと感じた。

OPPOが初参入する日本市場では、まずミドルレンジのカメラフォンR11sで勝負を挑む。カメラとしての実力は確かなものがあり、グローバル市場で勝負するためのチューニングには時間を掛けたのだろうと想像が付く。

とはいえ、日本市場はそれほど簡単ではない。特に5万円を超えるスマートフォンはブランド力や性能に敏感な層に絞られる。この層にOPPOの知名度と魅力をどうやって伝えていくのか、そのプロモーション活動にOPPO japanはどう動いていくのか。

さらに、グローバルでは新製品「R15」が控えており、日本での投入のタイミングも気になるところだ。まだ日が浅いOPPO japanだが、次のプロモーション活動も含め動向を注目したい。


執筆  mi2_303