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text:Jimi Beckwith(ジミ・ベックウィズ)

皆が皆、フィエスタ好きではない

ふと英国で売れているクルマは何だろうと思ったときに、待ちゆくクルマはフィエスタやフォーカス、そしてゴルフが多いことに気づく。

ほかの国でどんなクルマが売れているか興味があるひとは多いはず。ヨーロッパ圏のひとが好きなのは英国同様フィエスタというのがJATOの統計によって導きだされた答えだが、個別に見るとこれまたおもしろい。

各国でもっとも売れているクルマは?

オーストリア:フォルクスワーゲン・ゴルフ


オーストリアでトップに輝いたのは自国の自動車メーカーではなかった。7520人のひとがゴルフに群がった。

続けて5411台販売のポロ、そして5154台のティグアンが続く。そう、つまりすべてフォルクスワーゲンのクルマなのだ。

ベルギー:フォルクスワーゲン・ゴルフ


同じことがベルギーでも言える。

ただし2位はルノー・クリオで3位がオペル・コルサ。ゴルフは8294台が売れ、クリオは6873台、そしてコルサは6410台となっている。

クロアチア:ルノー・クリオ


すべてが変わったクロアチアにおいて、昨年のベストセラーは日産キャシュカイ(日本名:デュアリス)とトヨタ・ヤリス(日本名:ヴィッツ)であった。

今年はルノー・クリオ、スコダ・オクタヴィア、オペル・アストラが現時点でのトップ3となっている。それぞれの販売台数は、11452台、1714台、1525台だ。

チェコ:スコダ・オクタヴィア


トップ10の半分を占めるスコダ。オクタヴィアが1番で14439台の販売を記録し、次いでファビアの12277台、そしてラピッドの5959台となっている。

デンマーク:プジョー208


プジョーがトップになったのはデンマークだけ。

208は5583台が売れ、日産キャシュカイの3878台に勝った。ちなみに3位はフォルクスワーゲン・ポロの3689台である。

エストニア:スコダ・オクタヴィア


大きいクルマへの憧れだろうか、スコダ・オクタヴィアが672台で1位となった。2位はトヨタ・アベンシスの506台で、3位のルノー・クリオは476台である。

フィンランド:スコダ・オクタヴィア


スコダはフィンランドのランキングも勝ち取った。現時点で売れている台数は3320台である。

次いで日産キャシュカイの2787台、そしてボルボS90とV90のコンビが2174台で3位につけている。

フランス:ルノー・クリオ


小さな衝撃が走った。フランスのトップがルノー・クリオになった。64379台の販売台数は、確かに王者にふさわしい。

プジョー208は54803台を売り2位。フランス製の小さなクルマ、シトロエンC3は3位で40928台の販売となっている。

ドイツ:フォルクスワーゲン・ゴルフ


フォルクスワーゲン・ゴルフ、ポロ、パサートが1、2、3位となった。

昨年はGMが所有するオペルのアストラとコルサだけがドイツではないメーカーのクルマでランクインしていた。

1位のゴルフは85267台で、ポロの40148台の倍以上の数字である。パサートは37061台。

ギリシャ:トヨタ・ヤリス


トヨタ・ヤリスが2798台でトップ。続くは日産マイクラ(日本名:マーチ)で2023台。3位はフィアット・パンダで1817台だ。

ハンガリー:スズキ・ビターラ


生産拠点があるのがビターラ人気のひとつの理由だろう。3952台が売れ、2626台のスコダ・オクタヴィアに勝った。3位につけるのは2111台販売のオペル・アストラだ。

アイルランド:ヒュンダイ・ツーソン


アイルランドではヒュンダイ・ツーソンが支持されているようで、前年から驚異的な伸びを示している。

3586台が販売されトップに立っていて、2位の日産キャシュカイは3146台。

3位はフォルクスワーゲン・ゴルフで2823台となっている。

イタリア:フィアット・パンダ


ナショナリズムが勝った例のうちのひとつ。フィアット・パンダは86636軒もの新しい家をみつけ、トップに輝いた。続くはランチア・イプシロンの37043台。

そして3位は僅差でフィアット・ティーポの36557台である。もちろんルノー・クリオ、フォード・フィエスタ、フォルクスワーゲン・ゴルフ、ポロなどもトップ10入りしている。

ラトビア:日産キャシュカイ


日産の勝利、ただし今年はそんなに猛威を振るっているわけではなかった。

455台を売り1位。2位はフォルクスワーゲン・ゴルフの321台、そしてスコダ・オクタヴィアの316台である。

リトアニア:フィアット500


フィアット2度目の勝利はリトアニアだ。1551台のチンクが新しい家族のもとへ嫁いだ。

それに続くのはスコダ・オクタヴィアの500台。フォルクスワーゲン・パサートは惜しくも481台で3位となっている。

オランダ:ルノー・クリオ


フォルクスワーゲン・ゴルフの牙Up!、そしてオペル・アストラの3台。それぞれ6046台、5673台、5663台の販売台数を誇る。

ノルウェー:フォルクスワーゲン・ゴルフ


ノルウェーでゴルフがトップに輝いた! 5034台が売れた。

続くのはBMW i3の2769台。この差は大きい。そして3位はフォルクスワーゲン・パサートの2617台。

ポーランド:スコダ・オクタヴィア


スコダが1、2位を獲得。1位はオクタヴィアの9876台。2位はファビアの9242台。オペル・アストラは8488台で3位となっている。

ポルトガル:ルノー・クリオ


フランス製の小さいクルマがウケたようだ。1位のクリオは8445台が新しいオーナーへとデリバーされた。

次いでプジョー208の4718台、そしてルノー・メガーヌの3902台である。

ルーマニア:ダチア・ローガン


ダチアは昨年母国で嵐を巻き起こしていたが、今年もそうなるであろう。

トップのローガンは6189台のセールスで、2位はダスターの2747台。3位には1766台のスコダ・オクタヴィアがランクイン。

スロバキア:スコダ・ファビア


スロバキアではファビアが初めて、兄貴分のオクタヴィアすらも抑えて1位となった。ただし差は大きくはない。

ファビアは2735人のひとが選び、オクタヴィアは2710人が選んだ。スコダ・ラピッドは3位で1926台だ。

スロベニア:ルノー・クリオ


ルノー・クリオがまた勝利。スロベニアでは2229台が売れ、2位のフォルクスワーゲン・ゴルフ、スコダ・オクタヴィアを抑えた。

ゴルフが1638台、オクタヴィアは1534台である。クリオはスロベニア生産であるということが一因であろう。

スペイン:セアト・イビーザ


イビーザが金メダル、同社レオンが銀メダルだ。イビーザは20271台の販売をマークし、レオンは19183台であった。

銅メダルのオペル・コルサは17080台。またトップ10ではセアト・アテカやアローナといったSUV勢も健闘していた。

スウェーデン:ボルボS90/V90


昨年ボルボが首位陥落をして大騒ぎになったスウェーデンの市場、今年はS90とV90が投入され、めでたく首位奪還に成功した。

また、XC60がゴルフを3位に追いやっている。それぞれの販売台数は、12581台、11909台、8405台。

スイス:スコダ・オクタヴィア


自国の自動車メーカーは力不足。ここでも猛威を振るうのはスコダ・オクタヴィア、フォルクスワーゲン・ゴルフ、フォルクスワーゲン・ティグアンである。

5151人がオクタヴィアを選び、4158人はゴルフ、そして2978人がティグアンを選んだ。

イギリス:フォード・フィエスタ


トップに鎮座するのは紛れもなくフォード・フィエスタ。

59380台の販売台数は、フォーカスの40045台、それからゴルフの36703台を大きく突き放す、圧倒的勝利であった。