学生の窓口編集部

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落雷は、実はいつも同じ強さでないのはご存知でしたか?米アラバマ大学地球システム科学センターの研究員、Themis Chronis博が率いた調査によると、雷の強度が一番強いのは、世界中どこでも朝8時頃なのだとのこと。

これは、夜間の大気中には粒子が少ないため、各粒子間の距離を補うためにより強力な帯電が必要となるからだとか。

一方で、雷雨が起こるのは午後に多くなります。太陽光による熱が大気中の粒子を置く集めるためですが、頻度が上がる分、午前に比べ午後の嵐は弱めとなる傾向に。日光により上昇してきた水蒸気が上空で氷や他の粒子となり、電気を取り込むことで落雷の頻度が上がるものの、粒子の量が多いことで帯電間の距離が短くなり簡単に落雷に至る分、電力が弱まることになるのだそう。

朝の落雷の平均は3万アンペアに上りますが、一般的な午後の落雷の強さは6千〜2万アンペアとなっています。

研究チームは、全米雷観測ネットワーク(NLDN)のほか、ギリシャ、南アフリカの雷観測ネットワークのデータなどを利用して各地の落雷の強度を調査。その結果、午前と午後の強度の差は地域によって異なるものの、強度の最も強くなる時間帯は一緒だったとのこと。

Chronis博士は、「メキシコ湾岸など一部地域では、落雷の“頻度”は日中の早い時間から増えだすものの、強度が最も強くなる時間帯は同じだった」と説明しています。

また、落雷は、都市部の方が田舎に比べて多く、この理由も大気中の粒子が多いからだとのこと。人口密集により気温が上昇することに加え、大気汚染による様々な粒子が大気中上る量が増えるからだとしてます。こうした背景から気象学者たちは、環境汚染による地球温暖化が進むにつれ、落雷の頻度が上がり強度も上がってきている、と警告しています。

温暖化の影響が、こんなところにも出ていたんですね!

参考:
Morning Is the Time for Powerful Lightning
http://www.newswise.com/articles/view/631241/?sc=rssn
Lightning is at its most powerful at 8am in the morning - but more storms occur in the afternoon
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2998781/Lightning-powerful-8am-morning-storms-occur-afternoon.html?ITO=1490&ns_mchannel=rss&ns_campaign=1490