メジャースカウト評価は「明日にでもメジャーで打率3割、二塁打40本を打てる」

 プエルトリコで開催中のカリビアン・シリーズに参加しているDeNAのユリエスキ・グリエル内野手が、メジャースカウト陣から高い評価を得ていることをMLB公式サイトが特集した。「カリビアン・シリーズでグリエルが想像力をかきたてる」との見出しで報じており、メジャー流出の懸念が高まりそうだ。

 現在、プエルトリコの首都サン・ファンで行われているカリビアン・シリーズには、メジャー各球団のスカウトが乗り込んでいる。ベネズエラ、ドミニカ共和国、メキシコ、プエルトリコ、そしてキューバ代表の有望選手がしのぎを削る中、30歳のキューバ人内野手の評価はうなぎのぼりだという。

 特集では「バックネット裏、外野席、通路、ホテルのロビー、レストランでも試合後にユーリの名前が頻繁に聞こえてくる。おそらく、スカウトは木曜日(日本時間6日)のベネズエラ戦におけるグリエルの話をしているのだろう」としている。

 カリビアン・シリーズ4試合終了時点で、グリエルの打率2割6分7厘は大会18位。1打点で、長打はない。成績的には傑出したものではないが、メジャーのスカウト陣の評価は絶大だという。守備力と勝負強さにおいてメジャー平均以上。そして、その走塁のスピードでもスカウト陣を驚嘆させているといい、記事では「明日にでもメジャーリーグで打率3割、二塁打40本を打てると(スカウト陣は)考えている」と言及している。

「僕は(メジャーで)プレーしたい。許可を取って合法的に挑戦したい」

 グリエルはメジャー挑戦について「僕はプレーしたい。でも、許可を取って合法的に挑戦したいんだ。誰もが世界最高レベルでプレーしたいと願っている。野球選手にとって、それはMLBだ」と語ったという。

 ドジャースのヤシエル・プイグ外野手ら、現在メジャーで活躍するキューバ人選手は亡命してMLB入りした。今回のカリビアン・シリーズでも、すでに2選手が亡命を望んでいる。ただ、バラック・オバマ大統領がキューバとの国交正常化の方針を表明してから、MLBでもキューバ人との契約に関する規制緩和の動きが表面化している。

 グリエルは昨年5月にDeNAに加入。6月にデビューしてから62試合に出場し、打率3割5厘、11本塁打、30打点と活躍。オフには巨人も獲得に動いたが、DeNAが争奪戦を制した。ベイスターズとの契約期間は1年。近い将来、メジャーでグリエル争奪戦が展開される可能性が高まってきた。