2026年第1四半期にアメリカの一般家庭に新規設置された家庭用バッテリーの総容量が673MWと、過去最高を記録したことがわかりました。電気料金の高騰と、それに伴ってバッテリー設置を奨励する政策が推進された影響とみられます。

US Home Battery Installations Boosted By State Incentives - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-07-01/us-home-battery-installations-boosted-by-state-incentives

US home battery installations hit record high on rising electricity costs - Ars Technica

https://arstechnica.com/science/2026/07/us-home-battery-installations-hit-record-high-in-early-2026/



アメリカエネルギー情報局(EIA)によると、2026年4月時点のアメリカの家庭用電気料金の平均は、2025年4月時点と比べて7%以上増加しているとのこと。屋根設置型太陽光発電を導入している場合、バッテリーを設置することで、蓄えた電力を夜間に利用できることから、州からバッテリー設置が奨励されています。

カリフォルニア州では、太陽光パネルを設置済みの住宅のオーナーに対して、日没後に電力網に送電される住宅用電力の買い取り価格を高くすることで、バッテリーの併設を呼びかけています。

ハワイ州では、住宅オーナーが家庭用バッテリーを設置した際、バッテリーの容量1kWごとに400ドル(約6万4300円)の一時金を給付しているとのこと。

特に新規のバッテリー設置容量が大きいのはカリフォルニア州、ハワイ州のほかテキサス州、アリゾナ州などで、2026年第1四半期の新規設置容量は過去最高の673MWを記録しています。

トランプ政権と共和党が主導して2025年7月に成立した「One Big Beautiful Bill」により、住宅オーナーに対する太陽光発電による優遇税制が廃止されたことで、住宅向けの太陽光パネル設置の動きは鈍くなったそうですが、それでも太陽光発電の発電量は増加しており、2026年4月に石炭火力発電を上回りました。



なお、家庭用バッテリーの容量拡大は電力系統の事業者にとっても選択肢を増やすものだと、ニュースサイトのArs Technicaは指摘しています。

たとえば、テキサス州オースティンの電力スタートアップ・Base Powerは、設置された家庭用バッテリー群を仮想発電所として管理することと引き換えに、バッテリーや電気料金を割引価格で提供しています。

アメリカではこうした仮想発電所の容量が増加してきており、実証実験では、10万台のバッテリーがあれば大規模なガス火力発電のピーク電力よりも多くの電力を供給可能だと確認されているとのこと。

発電システムやバッテリーを手がける大手企業であるテスラ、Sunrun、Renew Homeの3社も、テスラとSunrunが運用する数十万台の家庭用バッテリーシステムを統合して「国内最大の分散型発電所」にすることで合意していて、データセンターや電力会社に16GW以上の電力を提供できると述べています。