@AUTOCAR

写真拡大 (全5枚)

F1の技術を応用したコンポーネント

アウディの新型ヌヴォラーリは21インチホイールを装着し、フロントに255/35、リアに325/30のブリヂストン・ポテンザ・レースタイヤを履いている。

【画像】これがアウディの未来の姿! シンプルさを追求した新デザイン【アウディ・ヌヴォラーリを詳しく見る】 全24枚

カーボンセラミックディスクを備えたブレーキバイワイヤ・システムは、エネルギー回生機能と連動するように設計されている。フロントアクスルには420 x 40mmのディスクと10ピストン固定キャリパーを、リアには410 x 32mmのディスクと4ピストンキャリパーを装備する。


アウディ・ヌヴォラーリ    アウディ

アウディによれば、このブレーキの冷却システムは通常のカーボンセラミックブレーキと比較して放熱性が最大21%向上しており、F1マシン並みの減速負荷に対応できるという。

ヌヴォラーリはスペースフレーム構造をベースとし、アウディの市販車としては初めてカーボンファイバー製の外装パーツを採用している。ほとんどのコンポーネントはF1マシンと同様に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で作られている。

各パーツは成形された後、高圧・高温下で硬化処理される。このプロセスにより、重量を最小限に抑えつつ構造性能を最大化できるとされている。高温にさらされる車体の一部には、耐熱素材が使用されている。

空力にこだわったエクステリア

エクステリアは空力性能を追求して設計され、フロントスプリッターや印象的なリアディフューザーを備えている。アウディF1チームのドライバーであるガブリエル・ボルトレト氏とニコ・ヒュルケンベルグ氏が、空力開発の微調整に向けたフィードバックを提供したとされる。

アクティブエアロダイナミクスもF1から派生した技術で、ダウンフォース、抵抗、空力バランスを調整できる。アクティブリアウィングには、「クローズ」、「低ダウンフォース(LD)」、「高ダウンフォース(HD)」の3段階の設定がある。


アウディ・ヌヴォラーリ    アウディ

ブレーキ冷却とモーターの熱管理を強化する大型エアインテークに加え、高速走行時にダウンフォースを増加させ、パワートレインへの冷却効果を高めるSダクト(F1で採用された技術)も装備されている。

ダイナミック、ダイナミック+、トラックの各ドライブモードでは、リアウィングは自動で動作し、直線区間では最高速度を引き上げるためにLDポジションに切り替わる。さらにウィングを低くする手動選択式のドラッグリダクションシステム(DRS)も備わっている。ブレーキング時には、ウィングは自動的にHDポジションに調整され、このモードでは400kg以上のダウンフォースを発生させることができるという。

ヌヴォラーリの車両重量については明言されていないが、カーボンファイバー製ボディとアルミニウム製フレームを採用しているため、乾燥重量1690kgのテメラリオよりも軽量になると予想される。

新デザイナーによる未来のアウディの姿

ヌヴォラーリはわずか1年2か月という短い開発期間もあって、新しいデザイン責任者マッシモ・フラチェッラ氏による新世代のデザイン言語をいち早く取り入れることになった。今後の市販モデルの姿を予見していると言える。

前述の通り、エクステリアは主に空力性能を重視した設計で、スリムで縦長の「シングルフレーム」グリルを採用している。これは、これからのアウディの特徴となるだろう。四角いグリルはコンセプトCのものを彷彿とさせるが、空力性能を最適化する小さな四角いエレメントが特徴的だ。


アウディ・ヌヴォラーリ    アウディ

発表会で披露されたヌヴォラーリの実車プロトタイプは、F1マシンやコンセプトCで見られるアウディのシグネチャーカラー「チタニウム」で仕上げられていた。

特に注目すべきは、車体後部に配置されたアウディのフォーシルバーリングスで、アルミニウムから削り出し、カーボンファイバー製のボディワークに埋め込まれている。

シンプルさを追求したインテリア

インテリアもまた、アウディが新たに重視するシンプルさを体現しており、「ドライバー中心のアプローチ」と称する設計となっている。主要な機能はすべて、ドライバーの視界内に配置されている。

車内の各種操作系に用いられるカラーアクセントは、1930年代後半にタツィオ・ヌヴォラーリ氏が駆ったアウトウニオン・タイプCレーサーから着想を得ている。


アウディ・ヌヴォラーリ    アウディ

キャビンは色を用いて2つのゾーンに分けられている。前部は集中力を高めるというダークなトーン、後部は「シャドウ・デューン」と呼ばれる明るいトーンで仕上げられている。

ヌヴォラーリの価格詳細は公表されていないが、50万ポンド(約1億円)前後になると予想される。限定499台で、2027年前半に納車開始予定だ。