NEDOが革新的なドローン運用技術を開発 1人のオペレーターが自律分散協調飛行するドローン群の運用による高度な調査活動を可能に
革新的ドローンリモート技術は、危険性・緊急性を有する現場の迅速な状況把握が要求される警備分野や消防・防災分野において、1人のオペレーターが自律分散協調飛行するドローン群の運用による高度な調査活動を可能にする。具体的には、複数台のドローンで撮影した高解像度映像やLiDARセンサーから得られた情報を統合処理することにより、現場の状況を即座にデジタル空間上に再現する。
●背景
近未来のスマートシティーでは通信網で通信接続された複数台の遠隔ドローンを用いて、自律的またはリモート操作による防災、警備、点検などでの活用が想定される。
現状では防災や警備などの迅速な対応を要する現場でドローンを活用する場合、操縦者が近距離においてドローンからの映像を確認しながら1台のドローンを操縦し、操縦者あるいは補助者がドローンからの映像を見て被災状況の把握を行っているが、労働力不足のなか高度なドローン運用が可能な多数の専門要員確保が課題となっている。飛行中に得られる映像からAIにより人などの状態を推定し、XRなどで提示された情報から、特に不審者や要救助者の識別が可能となれば、操縦者および補助者の負荷は大幅に軽減でき、安全かつ効果的なドローン運用と効率的な警備や救助活動などが期待できる。
このような背景の下、2021年度から「人工知能活用による革新的リモート技術開発プロジェクト」の一環として、東京大学、産総研、イームズロボティクス、NTTドコモは、AI・XR活用による空のアバターを実現する「革新的ドローンリモート技術」の研究開発に取り組んでいる。2023年度の消防・防災分野における実証実験に引き続き、2024年10月および12月には福島ロボットテストフィールドにおいて警備分野における実証実験を行った。
●実証実験の成果
●1:革新的ドローンリモート技術の開発
開発した革新的ドローンリモート技術は、以下の要素技術から構成されている。
1:複数台のドローンによるフォーメーション飛行、相互衝突回避、対象物上空旋回飛行を可能にする自律分散協調飛行技術:
【技術のポイント】機体間通信により他機体の衛星利用測位システム(GPS)位置・速度情報を逐次取得し、各機体における目標地点からの引力、他機体との引力、斥力、回転力などの合力を計算し、各機体が自律的に移動制御を行うことで協調的な飛行を実現している。
2:広角カメラ、LiDARセンサー、環境センサー、920MHz機体間通信機能、LTE/5G通信機能、自律制御用コンピューターなどを搭載したLTE/5G搭載マルチセンサードローン:
【技術のポイント】イームズロボティクス製ドローン「UAV-E6106FLMP2」をベースに、マルチセンサー、各種通信機器、自律分散協調飛行アルゴリズムなどを搭載した機体を開発。自律分散協調飛行機能に、広角カメラ映像の高圧縮低遅延伝送、3次元カラー点群データの生成と伝送、ROS2システム※6による機体間、機体・基地局間の情報伝達を可能としている。
