帰国した(左から)張本美和、平野美宇、伊藤美誠、大藤沙月

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 卓球のアジア選手権日本代表が15日、開催地のカザフスタンから羽田空港に帰国した。女子団体金メダルに貢献した平野美宇(木下グループ)は「オリンピック以来の団体戦で、もちろん優勝はしたかったけど、本当にできるとは思っていなかったので、優勝した瞬間はちょっと信じられない気持ちとうれしい気持ちでした」と素直に明かした。

 女子団体では1―1の3番手を任され、当時世界ランク6位の陳幸同を3―1で初撃破。張本美和が同4位の王芸迪と同1位の孫穎莎を破り、日本の3―1で制した。2月の世界選手権団体戦、8月のパリ五輪では銀だったが、今大会で壁を乗り越えた。中国を破っての頂点は50年ぶりの快挙。「(中国との)距離は間違いなく縮まっている」と自信を口にした。

 2大会連続の団体銀メダルに貢献したパリ五輪後は、すぐには目標が定まらなかった。だが、五輪から2か月たち、少しずつ進むべき道が見えてきた。「五輪が終わった後は、次も必ず五輪という目標に向かって頑張らないといけないと思っていた。でも4年後がすごく遠く感じて。その中で今回、団体戦とシングルスを戦ってみて。まだ五輪以外でもやりきれていない、達成していないものがたくさんある」と、平野は気づきがあったという。

 今大会のシングルスでは、2025年5月の世界選手権個人戦(カタール・ドーハ)の出場権を満たし、切符を獲得した。「アジア選手権や世界選手権だったり、もっと身近な目標を立ててやっていくことで自分のいいプレーができる」。直近の目標は11月のWTTファイナルズ福岡。シングルスは世界ランク上位16人しか出られないトップの大会だ。世界ランク11位に浮上した平野。「去年出られなかったので、出たい。まずはフランスとドイツのチャンピオンに行くので、そこでいい結果を出したい」と、目を輝かせた。